楽しめました
★★★★☆
他のレビュアの方も仰っている通り
「案外」どころか「相当」買い物好き、ということが分かります。
作家による買い物エッセイでは林真理子さん、森瑤子さんなど
あげられると思いますが、林さんよりは森さんに近い印象。
とんでもない大人買い、とんでもない量を買い、
とんでもない金額を払っている。
林さんのエッセイではそこに食傷、辟易してしまったのだけれど、
不思議と龍さんのエッセイではそれは感じません。
なぜでしょう?
値段が分からないまま買って「このTシャツが1枚 ○○円?」なんてやっている。
ま、私じゃやらないし、出来ないな、と思わせられる買い物を
読む分には楽しいです。
サッカーや中田英寿さんの話題がたくさん出てきますが、
そのへんは不調法であまり分かりませんでした。
女性よりは男性が読んだ方が楽しめると思います。
女性の私でも十分楽しめましたが。
世界各地で「大人買い」をしている気分を味わえます。
★★★☆☆
○読み始めたきっかけ
村上龍の経済関係の書籍が好きでよく読みます。小説はテイストが合わないので
苦手です。以前、講演会で本人を見る機会があったのですが、その時に物事を率直
に言う姿勢に好感が持てました。
○心に残る言葉
・長袖の青いシャツが、お洒落の基本・・・私も休日用のシャツが欲しくなりました。
p.91 小物や置物が、単に装飾のためでなく旅の記憶を喚起することに初めて気がついた。
p.191 真に裕福なアメリカ人は、インターネットなどやりたがらないものらしい
(マウイにて)。
○どんな人に読んでもらいたいか。
まさに「大人買い」の極致でしょう。欲しかったら、値段にかかわらず買うという
姿勢。買う店を決めて、そこで集中して買うというのはいいですね。私も気に入った
ブランドやシャツなどは複数の色を同時に買うこともあります。
日曜日の午後にお風呂に入りながら、窓を開けてお気に入りの音楽をかけてのんび
り読むのに適した本です。読みながら世界各地で大人買いをしている気分を味わえます。
ペルージャのブローチ
★★★★☆
「半島を出よ」ファンにとっては、この本の「穴が空いているセーター」を読むと、何とも感無量な気分を味わうはずだ。そして、この秀逸な科学論文と人類を救う詩を足して2で割ったような小説を書き、一方で、3000ユーロのシャツ代請求額に「ぼられている」かもしれないと思いつつそれを聞きただせないまま震える手でクレジットカードを差し出す村上龍という人が大好きだ、と思ってしまう。村上作品を読むと作品毎に必ず鮮明に印象に残るモノがある。この本では、ペルージャの骨董市で買ったというブローチだ。今は村上氏の仕事机の上に置かれているというそのブローチ、いつか見てみたいなあ。あと、150ユーロの特別扱いのTシャツは、「買い物の神」に見放されないようにするためにも、一枚くらいは読者プレゼントにすべきと思います。
村上龍
★★★☆☆
龍ちゃんも年とっちまったなあ。また、KYOKOみたいな映画でもとって気合入れてくださいな。すっかりエチュタブリッチュメントだね。中上の「枯木灘」を超えるような作品を書いてくれよー。
読まないと困るわけではないが、なんかとてもいい。
★★★★☆
すごく自分をありのままに出している。一般人からするとありえないくらい、ものすごい物量を買いまくっている。でも、そんな自分の行動を素直に告白して、見栄を張るでもなく、ある意味淡々と筆は進む。自分のことをセンスが良いとも、思ってないし、もともと服にも興味が無かったとも、言っている。色々なブランドの名前も出てくるが、あまりに素直の自分を出しているので、全然嫌味に聞こえない。
買い物が好きなことを素直に記しているので、その素直さが伝わってきて、なんかとても、読後感がさわやかなのである。