著者の主張のキー概念は「アトラクティブ・セールス」と名づけられた営業手法だ。「アトラクティブ」とは「人をひきつける」という意味だが、その本質は、企業、商品、サービスなどの理念を明確に語ることで、顧客に魅力を感じさせることにある。そのために、個々の営業マンは単に組織のやり方に従うのではなく、積極的にセルフ・プロデュースを行い、自分ブランドを高める必要があるという。本書では、自分の仕事理念を確立し、それをストーリー化して伝えるまでの具体的なノウハウも詳細に記されている。その内容は、オンリーワンの営業マンのすすめともいうことができる。
同時に本書では、アトラクティブな個人をサポートする企業組織という、セールスのための体制づくりの重要性も強調されている。「終わりに」に記されるように、顧客づくりが重要な経営課題として浮上する状況から生み出されたのが、「アトラクティブ・セールス」なのだ。そうした観点から読み解けば、本書の内容は現場の営業マンのみならず、管理職も含めビジネスに携わるすべての人の参考になる。(松田尚之)
◆感銘を受けたところ
・営業は、タイミングと自分と商品の魅力で勝負。恋愛と同じ。
・明確なニーズを持っているお客様は少ない。
・誰と会うのかに、妥協しない→キーマンを探せ!
・商談は、「売り込まない」。お客様が「買いたい」と思うよう
に流れを作る。
アトラクティブセールスの流れ
●雑談。
↓
●自分、自社の価値観の提示。
↓
●自慢はしない、クライアントの成功事例の紹介。
↓
●クロージングが先である(あなたから、買うよと言ってもらう)。
↓
●無駄な条件闘争はしない
↓
●契約の意思確認(契約書にはんこを押してもらう)
・魅力のある営業とは
広がりのある人的ネットワークを持っている。
ポジティブなトークに、ユーモアのセンス。
発想力とアイディアでお客様を驚かす。
深い商品知識と関連情報。
・いい会社とは、営業マン個人の資質だけに頼らず、誰であって
も同じように高い水準のサービスが提供できる会社です。p.156
→優秀な営業が一人いても、彼が退職したら何も残らない。彼が
辞めても組織力でカバーできるような、営業マニュアル、商談ツ
ール、サポートツールの整備が重要である。
・自社と自分の強みを1本に絞り、全面展開する。
『見て学べ、盗め』など今までのセールスパースンが自分のティーチィングの能力や自己の技術分析の能力の低さのあまりに伝承しきれなかった問題をわかりやすく伝えてくれている。
根性論、意気込み論、心のあり方を技術的にどう表現するかをわかりやすく記述しています。
いわゆる職人芸の領域だったことをわかりやすく伝承する最適の書
さて、この表紙が目に留まった。手が動く。
「船井総研NO.1コンサルタント」とある。
船井総研、一度は触れておくべきだと思った。
神田さんや石原さんの著書を先に読んでいたため、
目から鱗ではないが、引きつけられる。