家族とは、故郷とは、愛とは。 この国で生まれ育った者ならば、一度ならず考え想像し、人によっては今まさに直面しているであろう個人的日常の重大事。 作者は淡々としかし優しい目線で切り取っていく。 いつの間にか読者は登場人物たちと、同じ時間軸と空間そして想いを共有している。 切ないけれどぐっとくる暖かさ。そんな物語。 小説っていいなぁ。

This book has many short, interesting stories. I'm going to try to translate them into English :-)

20年以上も氏のファンであることから離れていた私が、氏の小説作品を読んだ順は｢眉山｣｢精霊流し｣、そしてこの｢解夏｣。
初小説作品｢精霊流し｣は、これまでコンサート・トークやエッセイ作品で語り続けられた内容ではあるが、その構成力、表現力は、処女作ながら氏の音楽作品に通ずる、佳作集となっている。
｢眉山｣は、前二作に力を得、丸一冊かけて母娘の愛の機微を描いた力作でもある。
そして、小説第二作となる本作は、かつて学生時代に読んだハインラインの｢夏への扉｣を読んだ時以上の、人生の、思い通りにはいかない困難のなかを、しかしめげずに自らの意志で、幸福なエンディングへと進んでいく、不器用ながら愛と勇気にあふれた登場人物たちの生き様を描いた、さわやかで温かい読後感、大切な人への愛の思いに気づかせてくれる秀作ぞろいの短編集である。表題作以上に感動したのが、｢水底の村｣、そして｢サクラサク｣。お勧めです。

友人に、これが面白いと差し出され、読み始めました。
短編４つ。
どれもハッピーエンドです。
男女の思いが交錯しています。
さだまさしは正直なところ、小学生のときの「関白宣言」大ヒット当時、大拒絶反応が出てしまい、
以来、今に至るまで、「甘え」を感じて生理的に好きではありません。
しかし、小説は別物だと思いました。
静かな、しんと心に響く、小さな物語が丁寧に描かれています。
どれも場面がトリッキーな気がしないでもないですが、本当に丁寧に描かれています。

感動の良書！

短編集です。ひとつひとつの物語で静かな感動がふわっと沸いてきます。
美しい日本の風景と家族の絆。心地よい余韻が素敵な話です。
私は、電車の中で読んでいて涙をこらえきれませんでした。ぜひ読んでみてください。