紹介が遅れたのが残念です
★★★☆☆
いささか紹介が遅れた感のある「TEACCH」入門書ではある(監訳者あとがきには、いわゆる入門書ではないと紹介されているが)。この本が出版された2003年頃は、かなりTEACCHの考え方が広まっており、残念ながら本書のもつ個別的対処の集積としての意味が時宜を失したと言えよう。勿論、この本を手にとって改めて自閉症児に対する両親の愛情と創意工夫は世界中どこでも変わらないものだと実感はできるし、既になされている実践の原点をみつけることも可能である。ただ、日本の最先端の現実は本書の内容を超えていることも確かではある。