柳屋喬太郎、間違いなく天才落語家です。
マニア心をくすぐる小ネタ、古典新作に精通した確かな実力を持った噺家でらっしゃいます。

この「アナザーサイド」は原作者様がいらっしゃる物語を落語で演じるという旨ですが、いや素晴らしい。
特に江戸川乱歩作の「赤いへや」での喬太郎師匠からは鳥肌が立つような、鬼気迫る演技でした。
プロバビリティ(確率)殺人に快楽を覚えた落語の師匠の、狂気じみた語りは見事。
是非一度どうぞ。

今回、柳家喬太郎落語集 アナザーサイド Vol.2の購入予約をしたところでVol.1 を評価させていただきます。
秘宝館シリーズ・名演集・キング名人寄席・のようなうた・ホテトル音頭、等を収集しております。
その中で、Vol.1に対する私の評価は最低であり、唯一の期待外れな1枚でした。
そもそもアナザーサイドとは、他人（喬太郎さん以外）が作った新作根多を、喬太郎さんが演じるという企画です。
喬太郎さんに興味を持ち、これからCDを集めようとされる方々には、アナザーサイド以外の物からの購入をお勧め致します。

一風変わった作品集です。しかし、これもまた喬太郎師の一面なのだろうと思わせられます。
多才な魅力を持った喬太郎師の「噺」を堪能してみてください。
私は好きです。

喬太郎師の話芸は､落語というくくりを超越している、というのは常々感じていましたが、このCDは、まさにそれを実感させられるものです。とくに、「赤いへや」は、どう見ても落語とは言えませんが、素晴らしい話芸だと感じさせられます。

喬太郎師を初めて聞く方は、まずワザオギのCDあたりを聞かれるのがよいと思いますが、すでに喬太郎師をご存じの方にはこのCDは断然おすすめです。