【セブン-イレブンで24時間受取りOK・送料0円!】 著者/訳者名:セリーヌ/著 生田耕作/訳 出版社名:中央公論新社 シリーズ名:中公文庫 発行年月:2003年12月 関連キーワード:ヨル ノ ハテ エノ タビ 2 ヨル ノ ハテ ノ タビ 2 チユウコウ ブンコ よる の はて えの たび 2 よる の はて の たび 2 ちゆうこう ぶんこ、 チユウオウ コウロンシヤ チユウオウコウロンシヤ 4622 ちゆうおう こうろんしや ちゆうおうこうろんしや 4622、 チユウオウ コウロンシヤ チユウオウコウロンシヤ 4622 ちゆうおう こうろんしや ちゆうおうこうろんしや 4622 遍歴を重ねた主人公バルダミュは、パリの場末に住み着き医者となるが-人生嫌悪の果てしない旅を続ける主人公の痛ましい人間性を、陰惨なまでのレアリスムと破格な文体で描いて「かつて人間の口から放たれた最も激烈な、最も忍び難い叫び」と評される現代文学の傑作巨篇。
オモシロおじさんセリーヌ
★★★★★
セリーヌが「死体派」か「苦境」で、
子供の将来を憂う箇所があります。
たしか、
「子供に学校でローマ法王のことなんか、教えなくていい。
てんとう虫は、葉っぱの上で、何を考えているんだろうね?
とか想像することを教えろ!」
という内容でした。
あんな、罵詈雑言と偏見の固まりみたいな
本の中で、そう吠えるセリーヌが大好き!!
この本もちゃんと読めば、
そんな彼のナイーブさ、やさしさが、
そこかしこに見えます。
ただその合間に、絶望と呪詛の言葉を
撒き散らしているので、わかりにくいだけです。
この下巻は特に、医者になってからの苦労に
重点が置かれているので、悲惨度も
高いですが、やっぱりどこかにやさしさ、
正義を本当は願っている人としての
セリーヌの、血や糞尿まみれの熱い涙、
みたいなものを感じます。
哀しいけど、、
★★★★★
前半の放浪記とはうってかわって、
苦労して医師になってからの生活。
パリの下町で、開業。
20世紀初頭のパリは、すでに医者あまりだったようで、
患者がこなくて、苦労している様子とか、
”日曜当番”なんていうのもある事とか、
学位論文とりに苦労している様なんて、
医学風俗史、、である。
往診先で、助産婦さんと鉢合わせて、
往診料の20フランを、、密かに争うなんていうのは、
かなりドタバタ喜劇な感じすらして、
悲惨なんだけど、妙なおかしさも感じた。
右でもなく、左でもなく、セリーヌはセリーヌで、
目の前の事を見た通りに、感じた通りに書いただけ何だと思うんですよねえ、、。
書いている文章、発言、、
医者だなあ、、医者馬鹿だな、、と思う。
なんともいえない読後感
★★★★★
澁澤龍彦氏の文章で本書を知りました。
現実逃避の「自分探し」が氾濫する現代。
自己の存在を考えさせてくれる本でした。
生田氏の翻訳も、非常に切れがよく
わかりやすい文章で、読みやすいです。
ひたすら難解に、暗くなりそうな内容を
歴史や政治情勢に疎い人間でも理解でき、
内容に入り込めるものにしてくれています。
村上龍氏の激賞
★★★★☆
村上龍氏の作品を読んでいて本書を知った。
「ひきこもり」という「ひきこもれる」時代に、セリーヌの生きた時代とつい比較してしまう。
実はセリーヌは「戦った人」なのではないか。
自分の内部と戦うことは実にキツい。
そういうことの表明が本書だと思う。
暗く読んでもいいけど、読んだら扉を開けて戦いに行かないとダメだと思う。
そこまで恵まれた時代でありこの国なんだから。
必読の書です
★★★★☆
セリーヌの「夜の果てへの旅」はメジャーな作家ではない故に、日本ではあまり知られていませんが、私の読書体験においても大きな位置を占めるものです。現代において、将来への漠然とした不安や焦燥感といった感覚がある、という人は一読をお勧めします。内容については、個々人で感じるものが違うでしょうから、あえて触れませんが、私は大学の時に読んで、人生観が少し変わった気がします。もう一度、きちんと読み直したいと思える、数少ない一冊です。