酒鬼薔薇聖斗になりたかった少年
★★★★★
世間を震撼させる「スゴイ事」がしたくて、酒鬼薔薇聖斗に憧れて…。でも、すぐに「殺人」ができるほどの勇気はないから、校舎の窓ガラスを割ってみたりなんていう些細なことから始める少年。徐々に勇気をつけていって、最終的には片思いの相手だった少女を刺殺してしまう…。気が狂ってる。どう考えても少年には同情できない。なぜ、少年もしくは男の屈折した感情は暴力的な方向に向かうのだろう。そして、彼女。ストーキングされているにもかかわらず、どうして誰も彼女を守ってあげなかったのだろう?どうして、殺されなければ誰も真面目にとりあってくれないのだろう?世の中の理不尽に悲しみと怒りが込み上げる。しかし、著者の目は飽くまで被害者・加害者双方への悲しみに満ちている