おなじみのテーマ<1>で幕を開け、コミカルな<2>やビッグバンドによるジャズテイストの<3>を経て、不穏でいて美しいコーラス<5>に至る頃にはすっかり作品世界に引き込まれている。<7><11>をはじめとした、チェンバロの音色が印象的なバロック風の味付けも楽しい。ティンパニーの重たい音が炸裂する<8><14><16>あたりの衝撃は、ハリーが見舞われる災難の大きさを物語っているかのようだ。前2作よりダークかつテンションの高い作風が、原作の雰囲気にみごとに呼応している。(安川正吾)
大好きな名シーンを思い浮かべながら聞いてます。
この素晴らしいモチーフがあちこちに出てくるだけでなく、他にもルネッサンス音楽風の美しいメロディがたくさん聴ける。
古楽器の使用というのも、それを文句なく盛り上げる。私のようなルネッサンス音楽好きにも超ツボの1枚。特に5、6、7、11は泣けます。
「ハリー・ポッター」はおとぎ話のような楽しい甘さから、魔法世界にも厳しく汚い現実があるところへ移行しつつある。それをこの音楽は見事に現している。
もちろん、おなじみのテーマ的メロディや、「ナイトバス」のようなジャズなど、本当に飽きないアルバムで、サントラという範囲を越えた名盤だと思う。
ちなみに、ルーピンがボガートの授業の時、蓄音機でかけていたジャズが収録されていないのは残念。
これはウィリアムズ作のサントラ「1941」の「スゥィング・スゥィング・スゥィング」であるようだ。
(「であるようだ」というのは、確信はないという意味です。なにしろ映画で流れるのが非常に短い時間なので。とても似ていることは事実です。ただし映画のエンドロール劇中歌として「ラ・クンパルシータ」というのが出てきます。あの有名なクンパルシータは流れていなかったはずなのですが・・・)