愁堂さん恒例のサスペンス調ラブコメ。シリーズ第2作目です。
前作「暁のスナイパー」が天然主人公の一人称の為、物語のテンポがいま一つで
個人的には相性が悪かったのですが、謎として終わったままの「華門饒（殺し屋）」
の存在が気になり購入しました。

探偵である主人公・大牙が（こんなにヌケてて元刑事？）とか、展開もツッコミ所満載
ですが、本格モノでなくコメディーモノとして割り切り、濃い脇キャラ達の応酬が楽しめる
なら面白く読めるのかもしれません。好みでしょうか。

また、気にならない方は問題ないと思いますが、個人的に文体が引っ掛かりました。
一人称の独白が饒舌で、類似文の繰り返しが目立ったのと、長棒線のあとに続く
「―というのは・・・・・・だから―」
という注釈が間にはいる為、回りくどく肝心の物語がぼやける気がしました。
三人称だと違った筆致になってスムーズ且つ多角的に読めたのかなと思います。
※その例として淫らシリーズ等は好きです。

今回は華門饒と彼に何か繋がりがあると思われる「依頼人」との関係を探る事で
華門饒の過去が明かされるのかと期待していたのですが、謎解きというような
期待する程の展開にはならず、華門饒の謎の全貌は伏せられたままでした。。。
大牙と華門のやり取りも、会えばいきなり抱いて風のように去る（説明不十分）。

二人のもう少し突っ込んだ会話や場面が読みたかったので物足りなかったですし、
大牙自身の活躍とかがなく魅力が伝わらず残念でした。

今後もシリーズ化される様ですが曖昧なまま展開が続くのだと次巻購入は迷うところです。