じつに新鮮
★★★☆☆
弥生時代の日本史。最新の考古学の発見をベースに、縄文末期から4世紀末までの歴史を構築している。よく整理され、銅鐸文化圏と銅剣文化圏や、邪馬台国九州説と大和説など、これまでの矛盾をうまく説明しており、大変おもしろい読み物になっている。また、各地で発見された銅剣や銅鐸を多数きちんと地中に埋めた遺跡が発見されているが、それが外部勢力にたいする域内協同の呪術である、とか、とにかく高校でならったころの歴史には論じられてなかった思想がちりばめられており、じつに新鮮である。ただ、非戦思想、反帝国主義思想を弥生時代の歴史の記述に入れるのはヤメテほしい。思想で歴史を記述したらソ連や中共と同じに思想弾圧の根拠にされてしまうから。