数学の哲学の標準的教科書
★★★★☆
現在の数学の哲学における第一線の研究者でもあるShapiroによる数学の哲学の教科書です。現代的視点(いわゆるベナセラフ(1973)以降)の視点から書かれていて、記述は明解、要旨も簡明。
扱われているのは、一般的問題設定をサーベイしたあと、プラトン・アリストテレス・カント・ミルの「歴史的」な哲学者たち、それから論理主義・形式主義・直観主義という「御三家」。その後、数学の哲学における実在論と反実在論を巡る現代の人たちの見解がまとめられ、最後にShapiro自身の見解である構造主義で終わる。
数学の哲学、あるいは論理学の哲学に興味のある人であれば入門書として初めに手に取るにいい好書です。ちなみに、論理式や数式はほとんど出てきません。なるべく出さないように苦労しています。
いい本ですが、記述が淡泊で感動を呼ばないので星4つ。