文章というよりは、書くという行為に関して。
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文章の話、まさしくそうですね。それも文章の書き方や文学論といったものではなく、そのまま「文章の話」。この本を読むまでに何冊か文章、文学というものを扱った本を読んできましたけど、この本の内容には頭ばかりが先行していた自分にそもそもの読むということの楽しさを思い出させてくれたような気がします。書くという行為、それだけでなく人間が考え、思うときに使用する言葉というものは一体何なのか。書くことによって私たちは何をしているのか。そういう根本的な部分を、一つ一つ丁寧に、悪く言えば愚直に見つめなおしていきます。それでもそこから見えてくるのは、人間という生き物の不思議、魅力、それを形作る物語というものの楽しさだったように思います。