インターネットデパート - 取扱い商品数1000万点以上の通販サイト。送料無料商品も多数あります。

眺めのいい部屋 (ちくま文庫)

価格: ¥1,050
カテゴリ: 文庫
ブランド: 筑摩書房
Amazon.co.jpで確認
ハワーズ・エンドの次に好き ★★★★☆
こういうことってよくあるある、でもこんな微妙なところをすくいとれるのか、という心理描写が素晴らしい。

たとえばこんな。

「ふたりの声はしだいに高くなり、悲しいことに、態度は少々気色ばんだものになってきた。

ふたりは疲れていた。それぞれが相手をおもいやるふりをしながら、相手を言い負かそうとしていた」

抑えた調子の中に、誇り、情熱、価値観の交錯などがちりばめられ、いかにもイギリス文学といった趣。

キャラクターもイキイキしていて、それぞれ感情移入できる点をもっている。

薫り高い物語をこのむ方におすすめです。
キャラクター描写が秀逸 ★★★☆☆
主人公ルーシーの描写、ミセス・ハニーチャーチ、ビーブ牧師、従姉のシャーロットいずれの描写も魅力的で楽しく読めた。
この小説の面白さは恋愛要素ではなく、キャラクターの描写にある。
そして、恋愛のほうはと言えば、、ハーレクイン的展開の好きな人だったら間違いなく投げだすだろう。
そのうえ主人公の恋愛対象のジョージだけは手抜きしたとしか思えない。寡黙で何を考えてるかわからない男性として登場する。
主人公にこっ酷く振られて、何も言わず引っ越す。。ああ、男らしくない。
人物描写では間違いなく恋の敵役のセシルのほうが魅力的だ。
映画が浮かびます。 ★★★★★
映画から先に見たので、この本を読んでいかに映画が丁寧に作られているかがわかりました。翻訳がとても分かりやすいです。ルーシーの成長物語、自分の中に全ては存在していて何も新たに付け加える必要はない(セシルから教わる必要はない)、自分の中から正直に出せば全てうまくいく・・というメッセージだと思います。ジェイン・オースティンの流れをついでいるような、主人公の心の葛藤を作者が時々登場してユーモラスに、温かく見守るような書き方です。

訳者のあとがきも面白いです。フォースターはこの作品を気に入っていたそうで、ルーシー、ジョージ、フレディ・・彼らのその後、という記事が紹介されています。そしてビープ牧師は独身主義者なのか同性愛主義なのか?難しいけれど・・私も訳者同様に独身主義者だったのでは?と思いました。原作でのあの豹変ぶりは何でしょうね?ちょっとビックリします。

シャーロットが、あのようなイライラさせられる、どうにもやりきれない女性になってしまった理由も何度も読んでいるうちにハッと気がついたりして、この作品にはいろいろな思いをフォースターが込めていることが伝わってきます。この訳者でハワーズ・エンドも出ると嬉しいです。
おもしろいけれど納得いかない ★★★★☆
読み始めたら夢中で読めるという意味ではほんとうに楽しめましたが、とにかくずっと首をひねり続けながら読みました。主役のルーシーとジョージの恋愛にはまったく説得力がなく、空虚なジョージのどこがいいのか私にはさっぱり。一見鎧のように観念をまとっているように見えて根っこは率直で清清しく、ちょっと可愛らしいようなロマンチストぶりも諧謔も茶目っ気もかいま見せる、複雑なセシルのほうがはるかに魅力的じゃないですか!

セシルのほかにも、ルーシーの幸せを純粋に願っていそうに見えて実はそうでもないヒネた牧師とか、いちいち見事に他人の神経を逆撫でするシャーロットとか、お邪魔虫として登場する人たちはみな本当におもしろいのです。

それに比べて、セシルの真摯な問いに対してジョージの受け売りで答えるルーシー、セシルを貶めるようなことを言ってルーシーに迫るジョージ、とってつけたようにルーシーを“覚醒”させる老エマーソンなどの動き方は不自然きわまりなく、作者がこれらの人たちをどうしたいのかまったく腑に落ちない。

『インドへの道』を読んだときはフォースターはすばらしい作家だと思ったのですが、この作品はわざとらしい口上であふれかえっている感じがしました。にもかかわらず夢中で読まされてしまうところがフォースターの力量なのかな。さんざん悪口書きましたが、おもしろいです。
眺めがよく分かりました。 ★★★★☆
 映画を観てからこの原作を読みました。
 なので、季節、町並み、風景、表情などは映画のイメージをなぞっているように感じるほどでしたので、逆に映画が原作に忠実だったということが分かりました。
 それに原作ならではの細かい描写が、原作者の表現力というか文章力を感じさせてくれました。
 とくに主人公のルーシーの思考を常になぞって書かれているので、映画を観ただけでは分からない色々な理由を知ることができました…。

 「眺めのよい部屋」から始まり、終わるまでを作者者は眺めているかのように少し離れた視点で描写しているようにも感じて、この題名も納得しました。