新世紀デジタル講義
価格: ¥1,680
本書は、あの立花隆による情報教育の教科書である。いま実際に行われている情報教育というとメールやブラウザの使い方、それに加えてせいぜいWebエディタを使ったホームページの作り方といったものだろう。著者あえてそのような技術でなく、IT時代の教養というべきものを1冊にまとめた。
立花隆流情報教育ではまず、「情報とは何か?」という問いから始まる。フォローされている内容は広範囲にわたり、アルゴリズムやコンパイルの話を交えたコンピュータの原理と構造、バベッジの階差機関とENIACが登場するコンピュータの歴史、ARPANETやパケット通信といったインターネットの話、さらにはデジタル産業革命やネットワーク社会の将来にまで言及している。
とかくコンピュータの知識というものは独学に頼っている以上、好きなこと、専門的なことに偏りやすい。そのバランスをとるためにも、非常に役に立ってくれる本だ。情報教育に携わる人だけでなく、あらゆるジャンルの専門家にとって必携となる、良書である。特に文系の方、パソコンを使ったことのない方にぜひ読んでほしい。(保坂昇寿)