著者が言いたいことは、最初の「サイエンスが人類を変えた」という章と、最後の「21世紀、若者たちへのメッセージ」に凝集されている。この二章を読むだけでも十分価値がある。
日本では、政界、官界の連中がほとんど科学に無縁な文系エリートであるために、多くのものを失った話、中学生に対する世界21カ国を対象としたアンケートで「理科が好きな割合」が、日本では20%強と世界最低であった点、科学は多くの害をもたらすと考える社会人は全体の15%だが、小学5年生では43%であるという事実は、日本の小学校では科学に対するとんでもない偏見が教えられているのではないかという分析などは、日本の全国民が危機感を持ち対処しなければいけないという自覚を促してくれます。
最近では若干改善の兆しがあるものの、世界に研究成果を伝える「英語」に対する取り組み方にしても同様の事が言えます。
まずは「サイエンスが人類を変えた」と「21世紀、若者たちへのメッセージ」の80ページを読んでみて下さい。きっとその間の章も読みたくなるはずです。