文法にまつわる大体の疑問や、もやもやと感覚的に思っていたことが解決して、読む度にすっきりとした気持ちになります。Ａを使うのはｘ％でＢを使うのはｙ％…とか…アメリカではＡが多いがイギリスではＢが多い、などの具体的な表記が多いのでわかりやすいし、何よりコーパスから取ってきた生き生きとした例文が素敵。（逆に、この本に載っていないことこそ、言語学者が研究すべき論点と言えるかも知れませんね。）

広辞苑並みに分厚いのでしょうがないけど、値段がお高いので☆４つｗ

コーパス言語学の恩恵を凝縮した資料価値抜群の文法書。ただし、章立て、項目分けなどは伝統的な学校文法と言うよりはCGELなど20世紀末に世に出た応用言語学、英語学に準じているので、一通り用語になじみがないと探したい項目にたどり着くまでに時間を取られることだろう。(私も使い始めて２年目くらいでやっと引きたいところがピタっとくるようになった）
これだけ大規模で英知を結集したコーパスは便利だが,使う人間が何に利用したいのかという目的意識がはっきりしていないと、宝の持ち腐れになりかねない、これを通読したから自分の英語力が飛躍的に高まるわけではないので、英語教師は自分のスタンスをしっかり決めて、この大百科とつきあうことを薦めます。

　英語教育に携わる方の必読書'A Comprehensive Grammar of the English Language'に続く2冊目の必読書です。'A Comprehensive～'が英語についての根本的な意味の解説書であるのに対して，本書は，それを使用の面から裏付け，「文法」を単なる文法で終わらせるのではなく，人間生活の実際のコミュニケーションの面から解説をしています。その解説方法は，英語，米語の使用のみならず，話し言葉と書き言葉，書き言葉はさらに学術論文，報道，小説，説明文などのジャンルに分けた分析をしています。その裏付けられたデータは，LONGMANのコーパスに基づき，客観的で世界的に信頼に足るものです。'A Comprehensive～'と本書があれば，英語についてもともとの意味と使用の両面からの知識をえることができ，英語を研究する方にとってのバイブルとなるでしょう。