反司馬史観・司馬批判の書だが今ひとつ
★★★☆☆
著者が経験した”言論弾圧事件”が面白い。
郷里の中学に講演を頼まれ、「従軍慰安婦問題の嘘」を取り上げようとしたところ、講演直前にレジュメの配布を阻止され演題の変更を要求された。要求に応じなければ帰ってくれとの学校側の態度に、泣く泣く別の話を即席で行った。江藤淳の「閉ざされた言語空間」を身をもって知った著者は痛憤し、東京裁判史観の克服なくして日本の独立なし、と力説する。
同感だが、全体的に前著「坂の上の雲に隠された歴史の真実」の二番煎じといった印象で、前著との内容の重複や表現の繰り返しが多く今ひとつだった。