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吉本隆明の時代

価格: ¥2,940
カテゴリ: 単行本
ブランド: 作品社
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知識人って何? ★★★☆☆
副島隆彦氏が言うように、四畳半知識人の時代は(追随者も含めて)終わっています。
それより、本当に頭のいいインテリゲンチャならともかく、中途半端な「知」より自分の足下をみるべきでしょう。
どんな生業をしていても、それを突き詰める事は意識的な人間なら世界をみることにつながるはずです。
そういう意味で戦後日本の「知」という「擬制の終焉」を感じさせます。
私は結構好きです。よく理解できなかったんですけど。 ★★★★☆
 この本では吉本隆明をサルトルのアナロジーとして捉え、ボスケッティ『知識人の覇権』の吉本版をやっていると思えばいい。
 小熊英二『〈民主〉と〈愛国〉』なんかだと戦後のさまざまな知識人を戦争体験の観点から特徴づけ、それぞれを〈民主〉と〈愛国〉との関係において配置する構成になっていた(と記憶する)。あとはどこまで肉付けするかの問題なので話としては非常にシンプルで、やたらと読ませた。対して本書はヘゲモニー争いの歴史を跡付けるものだから時々刻々の歴史・思想状況や対立関係が参照され、虫瞰・蛙瞰と鳥瞰・俯瞰、ミクロとマクロが渾然一体となったようなヘヴィーな1冊となっている。
 しかし正直を言えば、私の教養程度では、著者の偏執的とも呼びたくなるヘゲモニー闘争分析に随いて行くのは相当に疲れた。もっと正直に言えば、よく分からん。ボスケッティ本は読みやすかったんだが、それは著者の腕の差なのか、それとも日仏の文化状況の差なのか?
 ただ素朴な疑問として言わせてもらえば、「サルトル的な普遍的知識人/呪われた知識人」という本文中での吉本の位置づけと、「ラカン的な精神分析家」という後書き中での位置づけでは、かなり話が違うのではないか? 私としては、後者の方が納得できそうな気がするので、そういう観点で本書を書き直してくれたら、また買いますよ。
 もう1点、終章結語は「資本主義が存続している限り、『革命的』知識人の問題はすべて未解決のまま残されている。(中略)『サルトル』がそうであるように、『吉本隆明』も不断にわれわれにつきまとい、回帰してくるのである」(p353)という大見得なんだが、これは近畿大学教授である著者の知識人としての意味についてのエポケーとも読めそうに感じる。どうなんですか?
自身の語り ★☆☆☆☆
ある種サルトルと対比しながら吉本隆明を語った本です。著者の吉本への評価は十数年前と
特に何も変わっておらず新味はありません。サルトルに関してはきちんと読んでいないようで、既に90年代に出たいくつかのサルトル本を読んでいれば足ります。
著者の自身語りをしなければならないのなら別にこれを書く必要性はなかったのでは。
「80年代」ポストモダニズムから脱却した知識人が多い中、現在も留まり続ける著者は
それはそれで面白くはありますが。まあファンの人にはおすすめでしょう。

この本はそこまで酷くない ★★★★☆
吉本隆明がなぜ1960年代に新左翼学生達の絶大な支持を得て「戦後思想の巨人」とまで言
われたのか、その見取り図を提供するという点でたいへん分かりやすく有用な本だと思い
ました。ざっくり言えば、フランスの思想界でサルトルが手に入れた「呪われた知識
人」ゆえの「普遍的知識人」のポジションを60年安保で吉本は手に入れたというので
す。1980年代以降、吉本は何かピントのはずれた、首を傾げたくなるような発言を行うよ
うになりますが、あの『「反核」異論』に典型なように本質的なところでは60年代から何
も変わっていないということも良く分かりました。吉本の「信者さん」たちには評判は悪
いようですが、こういう視点も必要だとは思います。吉本への愛も十分に読み取れました。
問題は、糸圭さんの本はだいたいにおいてそうなのですが、悪文ゆえに詳論が分かりにく
い。だから、私としては星は3つ程度の評価なんですが、厳しい評価が続いているので敢
えて星4つを入れておきました。
駄本 ★☆☆☆☆
著者に言いたいのは、自分は何者でその歳まで何をしてきたのだ、ということしかない。丸山や花田が重要だと思ったのなら、くだらぬ駄本など書かずに、黙って勉強していればよろしいことで、吉本隆明をくさすためだけに持ち出されても、彼らも迷惑であろう。この本が明日この世から消滅しても、困るのは書いた本人と本屋だけという、悲しい本である。ある人間を勝手に大思想家に祭り上げて、そのまわりを良い歳をしてうろちょろするのも見苦しいが、著者のように、自分は無以下の存在にすぎないのに、くさすためだけに本屋と組んで駄本をでっちあげるのも見苦しい。皆さん、この本を買うくらいなら、丸山の戦後初期の講義録を買って勉強しましょう。