芸術家の書く文章の魅力は、何と言っても彼らの創造の秘密をのぞかせてくれることだ。「芸術は爆発だ」であまりに有名な岡本太郎による本書もその例に漏れない。本書は、美術、歴史、民族学など広範な知識を駆使し、論理的に展開しているが、創作者の実体験に基づく論述だけに退屈させない。また全編を貫く著者の芸術に対する深い信念が文章に勢いを与え、読者を魅了する。
前衛芸術の啓蒙書と言うべき本書において、著者は「今日の芸術は、うまくあってはならない、きれいであってはならない、ここちよくあってはならない」を芸術の根本条件として宣言し、芸術の本質とは常に過去を否定し乗り越えることであると示す。そして現代社会で失われた人間性を取り戻すため「これからはすべての人が描かなければならない」と主張し、人々を芸術行為へと誘う。1974年に刊行された初版の序では、著者自らが芸術に関心のない人にこそ読んでもらいたいと言っている。芸術は特権的なものではなく、人間の根源的な欲求だからである。
復刻版では横尾忠則が序文を、赤瀬川原平が解説を書いている。刊行当時、芸術を志す者に競って読まれた本書は、簡略だがオーソドックスな美術史入門でもあり、「謙虚は卑屈」と断罪する日本文化論でもある。しかし何よりも、停滞を嫌い常に前進する画家の人間像が印象に残る、本人による「岡本太郎論」と言える。(林ゆき)
Cruiskeen Lawn
★★★★☆
本人が実際に書いたかどうかは知らないが、恐ろしくパワーのある文章である。セイジオザワもアンディ・ウォーホールも台無しになっちゃうくらい。しかも、確かな説得力がある。大学時代、抽象芸術について反感を抱いていたのだが、これを読んでニュートラルになった。
うわの空
★★★★★
当たり前をぶち壊せ。ってことか。某専門学校のコピーみたいだ。
ひるね堂書店
★★★★☆
包み隠さずストレートに表現する文章に、最初からグイグイと引きつけられる。岡本太郎の言葉が生き生きと躍動し、強烈な熱いエネルギーがたぎっている。色で表せば、真紅そのものだ。人間の、生身のカラダから吹き出す鮮血の色だ。私は、岡本太郎の赤が好きだ。前衛芸術の啓蒙書とも言えるこの本を、芸術に関心のない人にこそ読んでもらいたいと著者は言う。なぜなら、芸術は特権的なものではなく、人間の根源的な欲求であるからだ。また、芸術論のみにとどまらず、我々の土台はどうかと日本人の芸術観と照らして、日本文化についても言及している。岡本太郎の日本文化論は辛辣だが小気味よく、溜飲が下がる思いがする。自分の中で言葉にならなかったものが、スッキリと晴れて昇華されてゆく。包容力と爆発する自由感を、この人は惜しみなく与えてくれる。岡本太郎が何者であるか、興味のつきない人物であることは間違いない。
美美美の美堂
★★★★★
岡本太郎さんといえば、最近メキシコで壁画が発見され、また脚光を浴びてますね。絵もそうですが、文章も熱っぽいです。学生時代にこの本に出会って、随分と発奮したのを覚えています。「芸術は常に新しいものを追い求める」発刊されて随分と月日が流れていますが、その理論はこれからも色褪せないはずです。
まめ書店
★★★★★
常識にとらわれたら、つまらないを、とても面白く教えてくれます。これであなたも、つまらない壁を打ち破って素晴らしく生きられるかも・・僕は、常識が無くて、今壁が無い、公園に住んでるど・・
手にとる魔法
★★★★☆
著者は画家だし、タイトルに「芸術」ってあるし、美術や芸術に感心ないよ、っていう人でも、読んだら、面白いし、ぞくぞくする本です。
NEO書房
★★★★★
「芸術は爆発だ!」の岡本太郎さんです。この方は若干18歳でパリに留学。名門パリ大学の哲学科に在籍した経歴は意外に感じられます。この本は自分が社会の既成概念に知らぬ間にはまり込んでいることを強烈に気づかせてくれます。私選読書本100冊にはいる一冊です。
☆宝箱☆
★★★★☆
1954年に発行されて、当時の芸術青年たちを揺さぶった伝説の書。その中身は、芸術のみならず生きることにも勇気を与えてくれる。やっぱすごいわ、太郎さんは。
J book
★★★★★
この本を読んでピンと来ない人とはきっと友達になれない気がする。そして、将来自分に子供がいたらこの本を読んで何かを感じる人間になってほしい、と思う本。
ましゅーの書斎
★★★☆☆
「生きるエネルギー」って、やっぱり自分のとめどなく奔放な情熱を出せないとしっかり沸いてこないよね、と確認できる本。これを読むと健康になれると思いますよ☆わかりやすく激しい内容です。
前衛堂
★★★★★
読みやすくて為になると思います。芸術に興味がある人には、オススメです。芸術って何だろうって思った時に、つむたくが読んだ本です。