インターネットデパート - 取扱い商品数1000万点以上の通販サイト。送料無料商品も多数あります。

Light in August (Vintage International)

価格: ¥1,537
カテゴリ: ペーパーバック
ブランド: Vintage
Amazon.co.jpで確認
アメリカ文学史上の傑作だが、決して簡単とは言えない ★★★★☆
この話に出てくる登場人物は、全員何らかの精神的な瑕を負っており、かなり屈折している。ジョー・クリスマスしかり、ハイタワーしかりである。この話を十全に理解するためには、アメリカ南部における文化意識や精神構造を知っていることが望ましい。英語だが、フォークナー特有の心理描写がかなり込み入っており、これに慣れるのは容易ではない。一方、台詞部分は所謂標準英語からはずれた用法が多いものの、理解しやすく、全体として話の筋を追うのにはさほど苦労しない。いずれにせよ、楽々読み進められるような代物ではなく、フォークナーやこの作品の評伝に目を通し、背景知識を得た上で読むのが良いかもしれない。
夏の夜のさわやかな窓辺の印象 ★★★★☆
この本のテーマは重い。しかし、私の読後感は真夏の夜にフレンチウィンドウのカーテンを揺らしているさわやかな夜風のイメージである。この本が伝えようとしたメッセージは理解した積もりだが、それをも押しのけてこのようなイメージが残るということは、そんな平和を望む作者の真のメッセージをとらえられたのではないだろうか。

もう一度読んで見たいと思う数少ない本である。

ジョー・クリスマスの悲劇 ★★★★★
ウィリアム・フォークナーの作品はアメリカ南部社会においての人種・宗教・ジェンダーなどのテーマを常に含んだものですが、特に「八月の光」では人種に関わる問題が色濃く浮き彫りになっていると思います。黒人の血が自分の体に流れているかもしれない、という不安を抱えた主人公のジョー・クリスマスは保守的な社会の中には溶けこめず、果てしない悪循環の末に悲劇を向かえます。作家の筆力によって何かを語りかけるようなイメージを付与された南部の町や人の中にあって移動を繰り返すクリスマスはアメリカの生んだ歴史に対するアンチ・テーゼなのかもしれません。