失敗原因が・・・。
★★★★☆
アタック隊の二人のうち一人は疲労凍死、もう一人も四肢切断という悲惨な遭難事件の生還者によるドキュメント。 突発的な雪崩などではなく出発前からのゴタゴタ、後方支援の人間が未熟など失敗原因を著者が冷静に見つめているのが何とも辛い。 俺だったら装備も残さずさっさとベースキャンプを放棄した連中は絶対に許せないだろうなー。
アラン・ムーアヘッドの「恐るべき空白」に通じるものがあります。
筆者の精神力の強さに感動…
★★★★★
あまりにも過酷で壮絶な遭難…。筆者の松田氏の凍傷で黒ずんだ指先の写真は生々しく、どれほどこのミニヤコンヤが過酷であったかを物語っている。幻視や幻聴と闘い、まさに「奇跡の生還」を果たした松田氏はこのミニヤコンカでひざから下の両足と両手の十本の指を失っている。それでも義足をつけ山に登っている松田氏の精神力の強さと山への愛情に驚き、また感動する。
魔の山をさまよう
★★★★★
吹雪の中、ピークへのアタックを試みた著者とパートナー。
C4で援護する隊員と唯一の交信手段であるトランシーバーが凍り音信不通。
隊員は直ぐさま「疲労凍死」と決めつけ、翌日にはC3からC2へ、更に
その翌日にはC1まで下山している。
もう2日だけ隊員がC3に留まっていてくれたら誰も死なずに済んだのに…。
壮絶な19日間を経て、著者は運良く地元の民族に発見され助けられる。
凄まじい幻聴・幻覚の中、そして凍傷に侵され感覚を失った両手(指)と
両足(膝下)にも関わらず「生きる」執念を強く持ち、健常者でも困難な
絶壁をザイルで降りる。
本当に壮絶です。
そして「必ず生きて帰るんだ」という著者の強い意志に、本当に感動しました。
私は“風雪のビバーク”よりもむしろこの本の方がより衝撃的だと思います。
是非お勧めしたい1冊です。
これは強烈だヨ。
★★★★★
なんたる極限状況、しかも実体験! フィクションぢゃないですから~! 読むべし。 そして、己が今置かれてる状況なぞぬるま湯だと認識すべし!!
抜粋
★★★★★
「あっ、生き物だ!」
空へ飛び立った影を目で追い、僕は叫んだ。
それは、鳥だった。鳥だ!と思うより先に、生き物だ!と思った。
生き物がいた!…その目撃がまた、どんなに僕を歓喜させたことだろうか。
「ようやくオレは、生き物の世界に帰ってきたのだ」