ゴダード作品を読んで思うこと -「どうすればこんなストーリーが思いつくの?!」
とくに人間関系の微妙な綾!愛憎を超えたしがらみ!! ・・・これも、つらい。痛いんです。主人公の、手に入れた富や一族の成功をもってしてもけっして埋め尽くせない喪失感に胸を衝かれます。
過去へむかう旅が、やがて壊れかけた自らの人生をも「再生」する・・・読後感も(めずらしく)悲惨過ぎない、お勧めの一作です。
主人公が過去の真実を明らかにしていくのと平行して、彼の周囲で次々と謎の事件が起き、最後まで飽きさせない展開です。過去をたどる旅が終わったとき、主人公がどう真実と向き合っていくのかも描かれ、単なる謎解きとは異なる魅力があります。