コンセプトは良い
★★★☆☆
ロシア語の動詞の、完了体と不完了体の現在・過去・命令の3活用(省略あり)を
確認できる、和書では珍しいコンセプトの書籍。
構成がどうにも悪く、一覧性にこそ掛けるものの、
基本動詞を60に絞ったことで書籍自体が非常に軽く(薄いとも言う)持ち運びには適しているし、
派生語や接頭辞の説明、例文もそこそこにあり、ページの薄さのわりには内容も悪く無い。
ロシア語学習の初期の段階になら、活用の仕方を学んだ初心者への、
まさに「セカンドステップ」として、動詞への順応に対し有益に働いてくれるだろう。
しかしながら、60と言う数は実際のところ、橋渡しとしては良いものの、
数としてはやはり少なすぎるし、これに続く次のステップの書籍がないため、
そこそこ学習を続けている人であれば、まず物足りなさを感じるだろう。
内容は良いので、是非ボリュームと他の活用形もを含んだ上級版が欲しいところである。
尚、個人的な満足度で言えば★4だが、NHKのロシア語講座以下の厚さで
630円はちょっと高いかなと思ってしまったので★3とした。
薄くて携帯性抜群
★★★★★
基本動詞が60ですから、一通り文法書を通読したら出てくる
くらいの単語レベルです。
正確には64組だということであり、それについて原則的に
完了体/不完了体がセットになって示されていますから、
120程度の動詞が紹介されていることになります。
そのほかに動詞からの派生語・関連語が示されており、
これを始終眺めているとほんとの基本中の基本は繰り返し
目に入れることができるはずです。
見出し語の動詞には変化形が示されていますが、
「基本」というスタンスから形動詞・副動詞は
示されていません。
例文中でもこれらは使われておらないのですが、
それはそれで煩雑さを避け、本のヴォリュームを
保つ方策としてよいと思います。
なお、例文はイタリックで書かれており、
ご存知のとおり、ロシア語のイタリックは、
ローマ字と違って慣れないと読みにくいわけですが、
その慣れのためにも最適であると感じています。
辞書を引くときに熟語は大体イタリックだし、
例文もイタリックですが、それ以外にはなかなか
集中的に目に触れることがないので、この
63ページ足らずの小さな本を使って例文中で
しっかりとイタリックに慣れたいと思います。