ヘミングェイを知る基本書
★★★★☆
非常に興味深い本であった。ヘミングェイと言えば、「老人と海」や「日はまた昇る」など代表作を一度は読んでいる。当初のイメージは男らしく、どこかニヒルな作家と思っていたのだが、本書を読んで、それが作品から来るイメージだということが判った。実際のヘミングウェイは、孤独や病気、母との確執に悩まされたナイーブな男だったようだ。本書は、ヘミングウェイの生誕から猟銃自殺するまでの彼の行動、作品の背景を丁寧に説明している。彼の作品を読むに当って、別の視点を与えてくれる入門書である。この本を読んだ後、もう一度、彼の作品を読み返してみたい。