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熱狂、恐慌、崩壊―金融恐慌の歴史

価格: ¥2,940
カテゴリ: 単行本
ブランド: 日本経済新聞社
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【セブン-イレブンで24時間受取りOK・送料0円!】 著者/訳者名:C.P.キンドルバーガー/著 吉野俊彦/訳 八木甫/訳 出版社名:日本経済新聞社 発行年月:2004年06月 関連キーワード:ネツキヨウ キヨウコウ ホウカイ キンユウ キヨウコウ ノ レキシ ねつきよう きようこう ほうかい きんゆう きようこう の れきし、 ニホンケイザイシンブンシ 5825 にほんけいざいしんぶんし 5825、 ニホンケイザイシンブンシ 5825 にほんけいざいしんぶんし 5825 バブル崩壊、相次ぐ金融破綻。日本が経験した経済危機はまさに金融恐慌だ! この状況をどう位置づけるべきか? 17世紀から現代まで幾度も発生する危機の本質を豊富なエピソードを交えて解明する歴史的名著。 第1章 金融危機-何度も蘇る多年草第2章 典型的危機の解剖 歴史 対 経済学/モデル/モデルの妥当性/モデルの現代的意義第3章 投機熱 市場の合理性/個人の合理性、市場の不合理性/異変/投機の対象/国ごとの投機気質の違い
延々繰り替えされるバブルの歴史にげんなり ★★★★☆
17世紀のオランダで起ったチューリップバブル以降、今日に至るまで繰り返されるバブルの歴史を、その原因、過程、結果を検証しながら紹介していく経済史の本。

チューリップバブルに興味をもって読んだ本書だったが、経済に不勉強なせいで難しかった!

今日に至るまで、株式、運河、鉄道、貴金属、商品、土地、債券、手形などあらゆるものが投機の対象となった。日本の土地バブルについても触れている。本来合理的なはずの市場が、集団的な熱狂で不合理な投機に走ってしまうことが繰り返されてきた近代史。

本書では、まさに延々とバブルの歴史が記述される。その碩学には驚くばかりだが、読んでいて少々げんなりした。

さて、本書ではバブル崩壊後の最後の貸し手として、中央銀行が介入することの重要性を説いている。人間の行動は限界があるから、公的な機関が最終責任をとるというのは仕方がないことなのだね。

折しも株価が上昇し、日本経済に明るい展望が見え始めたなどといわれてる昨今。気を許せば、いつまた不合理な熱狂がおこるか分からない。日銀は適格に対応できるのだろうか、また自分は冷静でいられるか、などと色々なことを考えさせられる本書だった。
Really new. ★★★★★
It's a really good book, recommended for anyone who is interested in Financial Crisis, Minsky's Model, etc. Also, I think whoever is majoring in Finance or Banking should read this book at least once. Because this book shows so many cases of bank-runs in many countries and illustrates the reasons clearly.
金融危機の歴史を縦横に俯瞰する ★★★★★
 著者は既に2003年に他界しており、最近の金融危機についての言及は最早ないが、十七世紀から現在までに至るバブルとその崩壊について俯瞰し縦横に論じた今こそ読まれるべき名著。
 最近の危機がサブプライム問題に端を発したとか、リーマンショックによるとか言われる中で、実際にはアフガン・イラク戦争による戦争経済のバブルとその終焉が原因であるなどという議論はあまり聞かない。実際に過去の金融危機は戦争、戦争の終結、戦後ブームによって興っていたことも本書で辿れば一目瞭然だろう。しかし、近年の危機が金融調整自身によるものであることもまた明確に読み取れ、現在の危機認識、危機理解があくまで金融部門に絞って考えられていることもある意味ではその方が正当であるかも知れない。逆に今回の百年に一度と言われると言われている危機が実は最も古典的な戦争という非常事態を発端としているのではないか、という懐疑もあってもよいだろう。
 仮に今回の危機がイラク戦争原因だとしても、米国内の911があったのであれ今や経済的にしか疲弊して折らず戦争による破壊に対する復興、その復興景気が今後期待できる状況ではないという。やはり危機がかなり原始的な要因に基づいているではないかと考えさせる。イラク復興によっても最早世界経済はおろか米経済ですら回復しないだろう。その意味では、現今のオバマブームが差詰め戦後復興の代替になっているということになる。
 結論は、歴史と構造、伝統と変革、そして地域と世界の両方が必要であるという当たり前の事である。黙って見ていても、総浚えで一掃しても、危機の危険度は致命的なまでに悪化するのである。
20世紀を代表する偉大な経済学者によって書かれたバブルと恐慌の歴史。 ★★★★★
より本格的にバブルと恐慌の歴史を知りたいなら、20世紀を代表する偉大な経済学者によって書かれた本書をお薦めする。

 本書によれば、市場経済は基本的に合理的であり、有効に機能することが多い。しかし、ある「異変」をきっかけに、市場参加者の合理的な行動が攪乱され、バブル発生・崩壊を引き起こす。その「異変」は、たとえば戦争、大きな政治的混乱、などである。最近では、金融機関の規制緩和や制度の革新といったことが「異変」として市場に大きなショックを与える要になっていると説く。

 それでは、一体、バブル発生・崩壊にはどのように対処すればいいのだろうか。よく言われるマクロ経済政策は、崩壊につながる異常な好景気をある程度はなだらかにはできるかもしれないが、バブル発生・崩壊を完全に排除することはできないと本書は鋭く指摘する。

 バブル発生・崩壊を排除することが難しいとしても、その後の不況が長期化することだけは避けたい。本書によれば、そのカギは「最後の貸し手」の存在にある。「最後の貸し手」は現在、国内的には金融機関に対する中央銀行、国際的には各国政府に対する国際機関や経済大国がその役割を担っている。

 もしも、信用収縮を食い止める「最後の貸し手」が存在しない場合、バブル崩壊後の不況は「他の場合よりもずっと長引き、かつ根深いもの」になると本書は説く。

 1929年のバブル崩壊をきっかけに世界的な長期不況となった世界恐慌も、「最後の貸し手」の実質的な不在が原因だった。本書では、それまで世界経済をリードしてきたイギリスが衰え、最後の貸し手としての行動能力に欠けていたこと。台頭するアメリカが経済大国としての自覚に欠け、最後の貸し手になりたがらなかったことなどを指摘している。当時はまだIMFのような金融に関する国際機関がなかったこともあって、世界恐慌の被害は人々の想像を超える甚大なものになってしまったのだ。
残念乍ら、今こそ本書を学ぼう。2008年 ★★★★☆
ムラカミ・ハルキセンセイではないが、「やれやれ」である。
2004年に翻訳が刊行された本書は、いまこそ読むべき本であり(残念乍ら)、人間は全く学習能力のない動物であるであることが判然とした。
最近、ガルブレイスの恐慌論が読まれているらしいが、トータルで見て、本書は最も精度の高い恐慌論であろう。

ところが、本書の著者はマルクスに対する知見はまるでない。と言うことは、本書も底が知れているから困ったものだ。
その点、ハイルブローナーとかのほうが、まだましなアメリカ経済学者であり、ガルブレイスを侮ることはとてもできない。