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もうひとつのスーダン 日本人医師川原尚行の挑戦

価格: ¥3,000
カテゴリ: 単行本(ソフトカバー)
ブランド: 主婦の友社
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悲惨さは極力抑えめな写真集。 ★★★★☆
 外務省・医務官を辞めてNGOを立ち上げ、干魃など自然環境の過酷さに加え、西部ダルフール地方では今も紛争が収まらないスーダンにおいて、病院・巡回診療、水・女子教育・スポーツ事業と、支援を行う医師の日常を撮った写真集。

 イラクの写真では、劣化ウラン弾による奇形児の写真など、目を背けたくなるような写真も掲載され、それこそが 現地の被害の現実を映し出す写真となっているが、本書ではそのような悲惨な写真は殆ど無い。

 辛さ・苦しさが読み取れる写真もあるが、笑顔や希望のこもった写真もあり、読後の気持ちが暗くなるような事はないが、その分中村哲氏や吉岡秀人氏の著書のような、突きつけられる読後感も薄い。

 それ故に、島田紳助氏が帯文を書いてくれるのだろうが(前述2者の著書に、タレントが帯文を書く可能性は低い)、どちらのアプローチがより広く訴えかけるのだろうかとも考えさせられた。



 日本人医師によるNGOとしての医療支援は著者の他、TVでも何度か取り上げられた前述のアフガンのペシャワール会(中村氏)・ビルマのジャパンハート(吉岡氏)があるが、パレスチナ・ガザ地区の地球のステージ、イラクのJIM-NETといった、まだまだ日本で知られていない活動もあり、これらも『情熱大陸』等で取り上げられ、活動範囲が広がっていくことこそ日本の国際貢献につながり、世界での信用度を高める取り組みとなろう。
スーダンのリアルな生活 ★★★★☆
スーダンで医療を含め、環境・教育の普及につとめる
川原医師の活動と、スーダンで暮らす人々のリアルな
表情や風景がやさしく伝わる一冊。

インフラ、医療等が行き届かない環境のなかでも、ス
ーダンで暮らす人々にとっては日常。現代の日本で暮
らす私たちよりは、確実に生と死が隣り合わせの日常
のなかで、それだからこそ、キラキラと輝く表情が刻
まれている。
”もうひとつ”が持つ意味は・・・・ ★★★★★
スーダンといえば、石油をめぐる南北の内戦、ダルフール紛争、虐殺などの悲惨なイメージがつきまとう
貧しさの中で、飢饉や非衛生的な環境による病気が子供たちを襲う

しかし、貧しいなかでも、この人達の放つ明るさは何なのだろう
障害を持ちながらは、凛とした顔立ちと、きらきらとした美しい瞳をしているのは、どうしてなのだろうか
生きるということに対する、たくましさはなんだろう

豊かだと思っていた日本人 幸せだと思っていた日本人 健康だと思っていた日本人

”もうひとつ”の持つ意味は、スーダンに対する日本人の「負の先入観」を覆すだけでなく、”もうひとつ”の日本人の生き方を川原医師を通じて教えてくれる

地域と共に、人々とともに、寄り添い、抱きしめる
そんな写真でいっぱいです

※ なお、p.140の中段三行目「西陣駅の地下通路」は、「西新駅の地下通路」の誤りです(^_^)/‾