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戦国時代の大誤解 (PHP新書)

価格: ¥735
カテゴリ: 新書
ブランド: PHP研究所
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戦国トリビア ★★★★☆
 武将の実在の有無や性格,戦いの実相など多岐にわたって,戦国時代の実像を紹介してくれている本である。扱うテーマが多すぎて,一行知識のような感じになっているのが残念であるが,個別の論証は他の本で調べるとして,実像は通説とは相当違うということがよく分かる本であった。

 例えば,山中鹿介(鹿之介)は,尼子家再興のために戦った忠臣とされている。
 しかし,尼子義久兄弟は,富田開城後,安芸で安穏に過ごしており,尼子家の家名が絶えたというわけではない。鹿介が担ぎ出した尼子勝久は,晴久(義久の父)に粛正された誠久の子であり,尼子宗家からすると反逆者の子に過ぎない。
 その後,播磨上月城落城時,勝久は切腹したが,鹿介は毛利家から知行を与えられるという約束で,主人を見捨てて降伏した(その後,毛利輝元の元に送られる途中,殺された)。
 どう見ても尼子家のためになっているとは思えないのだが,それが戦国時代の実像というものであろう。


誤解してた ★★★☆☆
目から鱗の小雑学で、戦国時代の常識(とまでは言わないが)、固定観念をくすぐってくれる。内容は薄く、通勤や旅行中に読むのに適している。戦国時代をドラマティックに思っている人を著者は気に入らないのかもしれない。ただし、正しい史実は歪められず後世に伝えられるべき、そういう使命を著者は感じているのかもしれない。
もうちょっと品よく批判したいものだ ★★☆☆☆
大河ドラマの脚色を事細かに指摘する本です。
やや攻撃的に憤慨しているのですが、どうしてここまで向きになっているのかというと、この著者の先生は在野の歴史研究家のようです。
道理で歴史学者や研究者を「ガクシャセンセイ」と揶揄したようなことを言ってみたり、何度も同じ人(たぶん仲間)の成果や執筆した本をさりげなく紹介したりしている。

出来のよい自費出版の本を読んだ感じです。
その素人感はうまく使えば長所になるのですが。
常識に挑戦・新説の総覧には良いが、1冊に詰め込みすぎの感。 ★★★★☆
本書は戦国時代に関する常識に次々と新説をぶつける。目から何枚も鱗が剥がされるような快感を味わうか、常識を否定されて頭にくるか、人によって読後感が異なると思う。本書は非常に多くの事柄を扱っており、例えばこの1年のNHK歴史大河ドラマ「風林火山」の主人公・山本勘介は実在しなかった、あるいは実在しても大した存在ではなく、そもそもこの時代に軍師なるポストはなかった、それは越後側の宇佐美も同じ、そしてこの時代の合戦では騎馬兵団による白兵戦などなく、当時のポニーのような馬しかいない日本では甲冑をつけた騎馬武者が乗馬したまま刀・槍で突撃することはあり得ない、騎兵も下馬して戦ったといった具合である。そうすると、この1年見てきた「風林火山」は一体何だったのか、ということになる。あれは井上靖氏が「常識」に基づいて創作した叙事詩的作品がベースになっており、それはそれで楽しめばよいのではないか。ただし、常識を疑ってかかる必要性を本書は教えてくれる。それにしても1冊であまりに多くの事柄を扱っており、他者の説の援用に終わるなど個々の説の理由付けに不足の感があるのは否めない。上述の昔の日本の馬は小さかった、その馬上から鎧武者に刀で斬りかかることは無理、というように本書の中の説明だけで納得できる事項ももちろんある。著者は藤本氏との共著だが名著「信長は謀略で殺されたか」で緻密な論証を展開していた。本書で論証不足気味なのは頁数の都合だと考えたい。結論として、戦国時代に関する現在の研究水準はどのようなものか、総覧として本書を気楽に楽しめばいいと思う。なお、同じ著者の先行作「戦国15大合戦の真相」の方は合戦にフォーカスして合戦に関しては本書より詳しい本なので、併せて読むことを薦める。
金返せ・・・。他人の説の寄せ集め本。 ★☆☆☆☆
戦国時代の「史実(通説)」に興味がある方にとっては、全て既知の事ばかりで
真新しさも新発見もまったくないと思います。一つ一つの事柄についても浅すぎる。
「本当は怖いグリム童話」的なノリで「史実は違うんだ!」という感覚を軽く楽し
むのにはいいのかもしれません。