凄い
★★★★★
ドラマのほうを先に知っている、という人が多く、30年以上も前に有吉佐和子という人がこんな傑作を書きそれが元ネタになっていることを知っている人は少ないのじゃなかろうか。
私自身もきっかけが無ければ決して手に取るタイプの本ではなかったが、ひょんなことから手にし、30年たってもなお色褪せないその面白さに舌を巻いた。
筋は大まかにはドラマと似ているが、細かい設定や筋の流れでは少し違うところもある。
ドラマはとにかく恐怖をあおるような大げさな演技や演出で世間の主に女性受けするドロドロさを醸し出していたが、原作のほうはとても冷静で淡々とした語り口調で、男側、女側どちらにも与することがない。そのような作者の客観性が、読者に問題を投げかける形となって、いろんな読み方ができる小説だと思う。
とにかくものすごくよくできた小説で、テーマは俗世間的な「浮気」に間違いないのだが、夫婦愛や親子愛などを鮮やかに切り出す側面あり、ミステリーの側面あり、読ませる力が漲っている。上下巻に分かれ、決して短い小説ではないが、ページをめくる手が止まらず一気に読んでしまう。
夫婦には、夫婦の数だけ秘密や地雷があると思うけれど、この小説に描かれる秘密もまた、フィクション上だけでない、ありふれたものだ。だからこそ、特に女同士で、何と無く連帯感を持って「この本読んでみなよ」と交換したくなるような、恐ろしいリアルを持った本だった。
愚作
★☆☆☆☆
男の描き方が論外の不作。
馬鹿馬鹿しくて読んでてゲロが出る。
忍耐力に相当の自身のある方のみ堪えられる超駄作。
日本経済新聞の連載物と判り納得。
どうしようもない御馬鹿新聞は昔から也。
色褪せないのは有吉佐和子の筆力の確かさの所以(1)
★★★★★
久しぶりのまとまった雪のため、お篭もりの休日。
有吉佐和子著『不信のとき』(新潮文庫)を読み終えた。
学生時代文庫版化されていた有吉作品は全て読んだ記憶があるが、文庫版が刊行されたのは昭和53年3月。刊行されたのは昭和43年であり、40年近く前の作品であるが、古さを一切感じさせない。有吉佐和子の筆力の確かさの所以であろう。久しぶりに古き良き友人にめぐり合えた。
確かに男が悪いが、やっぱり女は怖い
★★★★☆
テレビドラマ化されていたので、久しぶりに有吉さんの作品を読みましたが、40年近くもたっているのに古さを感じさせないのは、男と女のやることは変化していないということではないのでしょうか(笑)
大手商社に勤める浅井義雄は結婚して15年。だが、妻・道子との間に子供はなかった。過去二度も浅井に浮気された経験を持つ道子は夫の愛情をつなぎとめようと必死だった。そんな折、取引業者の小柳と銀座で飲み歩くうち、浅井はマチ子というホステスに誘われるまま一夜を共にした。それが自滅へ至る第一歩だとも知らずに―。男の浮気に対する女の非情な復讐を描いた問題作。
現代のように簡単に離婚できにくかった時代とはいえ、男としては、こんな復讐は勘弁して下さいと思ってしまいました。男性の方、その節はくれぐれも用心してかかるように!
すらすら
★★★★★
本屋に駆け込みました。
いっぱい作品があって嬉しく困っちゃいました^^
なおやん母が若い頃ハマってたみたいです^^親子は似るのかな?
最後の最後が最高でした!!
こんなになるなんて予想してませんでした。
厚いですがスラスラ読めます。