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Pet Sematary

価格: ¥663
カテゴリ: マスマーケット
ブランド: Pocket
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狂気の本質 ★★★★★
 あなたが今まで読んだ本で一番怖かったのは? と聞かれたらためらわずに本書をあげる。私が唯一読了後、明かりを消して眠ることができなかった小説だ。
最後の一文を思い出すだけで、今でも奥歯の後ろから嫌な唾が滲んでくる。
 この本の恐怖は、死者が蘇るという伝説に踊らされる人間の愚かさでも、蘇ったゾンビに襲われるパニックでもない。
愛する者を失う、それも自分の過失(と本人は思っている)に近い状態で愛する者を目の前で失った人間がどれほどの苦しみと後悔を味わい、それを償う為なら魂などくそくらえと思う。
 誰でもが明日にでも経験するかもしれない狂気の本質が、そこに延々と綴られているからに違いない。
 
テーマは、家族愛・死・禁忌。キングの長編でもっとも救いのない話 ★★★★★
正月に読み返しました。
ずいぶん久しぶりに・・・。
大学生のころハードカバーで発売された本書を読みふけるあまり、
高速バスのバス停を乗り過ごし、
夜道を歩いて帰る途中に墓場に遭遇。
髪が逆立った経験があります。

今読んでも怖いです。
主人公が家族を愛するあまり、
禁忌に取り込まれていく様子がリアルです。

本作、キングのいわゆるモダンホラー長編の中では、
もっとも暗い。救いがないストーリーです。
善と悪の戦いというような分かり易さはありません。
主人公は「愛のために」破滅の道を進んでいくしかない。
切ない話です。

この小説の大テーマは、
ふたつあると思います。
ひとつは「家族愛」。
二つ目は「死」そのものです。
さらに小さなテーマとしては、
「タブー(禁忌)」=「聖域」があります。
モダンホラーの傑作、
「シャイニング」、「クリスティーン」よりも、
テーマの重複性がストーリー展開に面白さをもたらしています。

ペット霊園の背後に広がる森の不気味さは、
まさに異界。
下巻で主人公が壊れていく様子は、
怖いし、面白い!

みなさんにじっくり読んでほしいと思います。




物語に一貫した切なさ ★★★★★
この物語は、本当に救いの無い展開になっている。
おそらく評価は読み手によって大きく二分されるだろう。
しかし、何かしら読み手の感情の琴線に触れるものがあると思う。
ホラー好き、キングファンに関わらず色々な人に読んでほしい作品だ。

この「ペット・セマタリー」がキングの初期の小説にしては異色の作品と呼ばれるゆえんは
ただこの作品が未知の物への恐怖のみに焦点を当てているだけでなく、
その恐怖に主人公の家族愛を絡めていることだろう。

家族をモンスターから守らなければならないという話ではない、
家族が徐々に「気味の悪い」対象になってしまう恐怖である。
それも、主人公の愛するものを取り戻したいという想いに反して
その愛するものは次々に異形の者と成り果てついには最悪の結果を迎えてしまうのだ。
それゆえにストーリーの衝撃はエグさをもって読み手の心に直球で突き刺さる。

描写には一貫した「切なさ」が感じられる。
一度この小説を読んでしまうと、
主人公の愛する妻や子供とのふれあいも、隣人との間に築き上げた友好関係も、
すべては破滅への道に向かっていくのだということを仄めかしているように思える。
分量=作品の質なのか ? ★★★☆☆
本作のテーマは結末のシーンを見れば一目瞭然で「不滅の愛」である。S.キングの小説は長いことが一つの"売り"なのだが、それにしても上記のテーマを書くにしては長い。長すぎる。

それと多分、日本人と欧米人との恐怖に関する感覚の相違なのだろうが、S.キングが延々と綴る恐怖のシーンは私にとっては単に胸クソが悪いだけだった。墓堀のシーンを何故あんなに得々として書く必要があるのだろう。

それと"聖地の丘"はどうやら聖書(キリスト教)に関係があるらしく、その神聖な場所で「あれ」が起こることが、キリスト教徒にとっては特別の意味を持つらしいことが察っせられるが、無宗教の日本人には関係がない。

「これだけの量を読了したぞ」と読者に自己満足させる作風は感心できないなぁ。
あ、小説って面白いんだ。 ★★★★★
しばらく読んでみて、タイトルの言葉が普通に出ました。以来、中高生の時のように「小説」にハマっています。いくつかの海外小説を読んでの偏見とは、げに怖ろしいですね。
みなさーん、小説って面白いんですよー!
そう言いたくなりました。天の邪鬼にならず、本物の匂いがするベストセラーは読むべきですな。おかげで続きが読みたくて家に帰る日々を送っています。