オーディオ・ブックへのレビューです。
★★★★☆
ニック・ホーンビィの小説はリリースと同時にオーディオ・ブックが出るので好きです。
今回は男女2人による朗読。適当な長さで交代で読んでいて、
女性が男性の台詞を読むときもあれば、その逆の時もあり、いずれもテンポがあって楽しめます。
発音はBritishで、大学講師と博物館学芸員がメインのキャラクターなので、ある程度教養のある階層。
でも、ひどい田舎が舞台という設定なのに発音はきれいです。
発音はBritishですが、本文中の典型的なイギリス英語は、アメリカ英語に置き換えられています。
たとえば、lift-elevator, dust bin-trash can, holiday maker-vacationist 等々ほかにもありました。
1つ難点を言えば、環境保護のためだかなんだか知らないけど、紙ジャケットに8枚のCDが入っていて、
届いたときには少し箱がへこんでいたのと、取り出したCDに小さな紙の粉がついていて、
PCに読み込ませようとしたら少しの間だけれども嫌な音を立てたこと、
また、中のタイトルの付け方の法則がてんでばらばらで、
普段ipodで聞こうという私には手放しでは順番通り聞くことが難しかったので、星1つ減らすことにします。
大人の恋、なんだけど・・
★★★★☆
二十年以上前に突然活動を停止したアメリカ人シンガー、Tucker。
今でも彼の熱狂的なファンで、ブログまで開設しているイギリス人のDuncan。
彼の同居人であり、地方都市のしょぼい博物館の学芸員をしているAnnie。
この3名の視点で語られる大人の恋の物語。
DuncanのブログにAnnieが書き込みをしたことから、Annieが本物のTuckerとメールのやり取りをするようになり、やがて二人はそれぞれの悩みを打ち明ける仲に。
そしてやがて、海を越えて会うことになり・・。
・・・という展開から予想される、ありがちなラブストーリーではありません。
出会ってはみたものの、そこは人生経験豊富で、様々な事情を抱えた大人の二人、互いの空気を読みまくり、予防線を張りまくり・・と、なかなか皮肉のきいた展開です。
Tuckerのダメ中年っぷり、Duncanのヘタレたオタクっぷりなど、結構笑いながら読みましたが、結末をよしとするかは、人それぞれかなあ。
英語はそれほど難しくないですが、アメリカ英語に慣れた身には、たまに戸惑う単語があり。
(ちなみに題名は、Tuckerのアルバムのタイトルです)