本書の特徴は電磁場、重力場といった古典物理の法則を変分を用いて統一的に記述しているところにあるとされているが、私個人はメトリックから実際の距離や時間の導出および同時性の議論といった一見泥臭い話を天才ランダウが行っているところにあった。このような泥臭いが頭を使う話を一度は考えないと、一般座標系で物理法則を記述する美しさだけに目がいってしまう。
レベル的には、「シュッツ相対論」に高度な専門書として引用されているが、それほど分厚くないので読む気がする。
数学的記法は古いが、等価原理とΓの足の対称性を物理的にダイレクトに証明したり、同期化座標を物理的に構築するところはビジュアルで印象深い。