『A LONG VACATION』『FOR YOU』（山下達郎）そしてこのアルバムは、
夏という共通項の中で輝きながら、
日本のポップスの頂点をつくってくれた傑作群です。

「オリーブの午後」から始まる３曲は、
夏を形象化してあますところがありません。

「オリーブ」で夏気分につつまれるだけではなく、
「白い港」では夏の高揚感ときらめきに胸がいっぱいになる。
さらに「雨のウェンズディ」に匹敵するスローナンバー
「Water Color」という曲のすばらしさはどうでしょう。

チェルシア名義の大瀧師匠のアレンジも素晴らしく、鈴木茂さんのギター、
今回新たに全面的に起用された井上鑑さんの流麗なストリングスの響き。
すべてが完璧に融合し、仕上げられています。

佐野さんと杉さんのパートは、
それぞれが完成させたのかと思っていたら違うんですね。
佐野さんは自分の曲を完成させて大瀧さんのところに持っていったら、
大瀧さんは「佐野くん、エディー・コクランのこと好きだよね。
じゃああんなふうにもう一回歌ってみようか」とやり直したそうです。
佐野さんは、「ミックスに100点満点を求めるのは不可能なことなんだけど、
大瀧さんはそれをやる」と語っています。

　今の曲に無いお洒落で程よいノリが心地よく聴き入ってしまいます。「君は天然色」や
「さらばシベリア鉄道」などはどこかで耳にされていると思います。
　何も予定を立てず渋滞の無い海辺をドライブしたくなります。

40才前後の人は、懐かしいんじゃないですか？
僕は中学生でしたけど、なかなか小遣いじゃアルバム（当時はＬＰでしたけど）
は買えなかったですけど、今は躊躇なく買えますよねええ。
押し付けがましくなくて、いいですよ。
メッセージ性が強い曲に飽き飽きした方はリフレッシュできて良いかもです。

このアルバムに収まっている殆どの曲が、
日常的にＴＶのＣＭソングとして流れてる頃に
高校生活を送っていました。

ジックリ聴くと言うよりは、軽〜い気持ちで聴ける
と言った感じですね。
この時代のアルバムとしては聴く頻度は高く、
今の時代に聴いても、全く遜色はありません。

もちろんリアルタイムで聞いてない俺ですが、大好きです。大推薦。
出た時からみんながずっと聞いてる理由がちょっとわかってきたような気がする。気がするだけで、一生俺にはわからないのかも…
そんなちょっと切ない気持ちにさせる、罪なレコードだなーって思います。
「カナリア諸島にて」が特におきにいりです。