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「新しい人」の方へ (朝日文庫 お 40-4)

価格: ¥630
カテゴリ: 文庫
ブランド: 朝日新聞社
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「怨望」(えんぼう) ★★★★☆
「新しい人」のなかで、福沢諭吉は、人間というものをよく知っている人でした。と大江健三郎さんは書いている。
人間の素質のなかで、ただ悪いだけで、良いところはなにもないのが、「怨望」(えんぼう)である。

「乱暴(粗暴)な素質の人には、勇敢な、という良い素質がある。軽薄な人には、利口(伶俐)なところがあるといってもいい。
しかし、「怨望」という素質だけは(人をうらやむ、嫉妬する)、良い素質とつながっていない。なにか良いものを生み出すところが全くない。」

ううむ、乱暴者も軽薄者もあんまりありがたくないが、たしかに「怨望」というのは最悪かもしれない。しかも、これはけっこう誰しも他人のことだとばかりにい言っちゃあ、すまされないような微妙なものだ。それはそして、何も良いものを生み出さないし、まったくもって下品な素質だ。

たとえば、隣の芝生が青く見えたりする話は昔からあるわけで、仕事なんかだと、自分とは距離のある分野、あまりかかわりのない分野などには鈍感力でというか、関係ないよ、と言っていられるとしても、こと同じ分野とか業界とかでは、「むらむら」していたりとか、少しでも胸に、耳に痛みを感じたらお互い気を付けましょう。

それから、大江さんは自分の子供時代の経験からつなげて、「怨望」は子供の世界では「意地悪さ」に近い。という。
じつは、よくよく見てみれば大人の世界もあまり変わらないですよね。
子どもに読んで聞かせたい ★★★★☆
大江さんが言葉を選び、大切なことを子どもたちにもわかりやすい
文体で描かれている。障害を持った兄を持つ兄妹たちのこと、
知識人の認識、それと福沢諭吉の言葉など。
速読するのはたくさん読めていいけど、中身がなんにもわかって
わかっていないことなどは感慨の思いで読みました。
何度も何度も読み返して、子どもたちにも伝えたい内容でした。
ゆっくり、じっくり読む本 ★★★★☆
この本は面白くて、つい早く読んでしまうような本ではありません。大人でもゆっくりと、じっくりと読まないと内容を理解できないでしょう。人生の後半を生きている著者が、自分の子供のころを振り返って、若い人々にはこんな人になって欲しいと、これからの人生に対するアドバイスを送っているのです。私も子供の頃にこのような本に出会っていたら、もっと物事を深く考えることができ、私の人生ももっと充実したものになっていただろうと思う次第です。身近に適切な助言者を持つことはとても難しいことですが、この本をゆっくりと何回も読むことで、大人も子供も人間はどんな生き方をすべきかを考える切っ掛けを見つけることができるような気がします。知識人であり、知識人であろうとする著者の読書に対する姿勢やその方法を学ぶことができたら素晴らしいと思います。
奥さんのゆかりさんの書いた挿絵は心を和ませてくれるものがあります。中でも表カバーにもなっているガリレオ・ガリレイの『新科学対話』の中で「生き物を高い所から落としても平気でいる実例」の挿絵は、私のお気に入りです。
大事なことが書いてある ★★★★★
これは、これから大人になる人のために書かれた本です。しかし、年齢的にはじゅうぶん大人の私が読んでもいい本だと思いました。大江さんの本は、これを読んだのが初めてです。若い人のために書かれた本だけあってとても読みやすく、無駄のない文章です。大江さんの家族や日々の生活のこと、少年時代、学問のこと、表題にある「新しい人」ということ、それらはとても真摯に語られており、大江さんの人柄があらわれているように思います。この本のどこをとっても大事なことが書かれているので子供でない人も読むべきだと思います。読んだあと、私はとても謙虚な気持ちになりました。
新しい人になるために ★★★★☆
読み始めてすぐは、大江さんの個人的体験記・個人的考えの表現
ということで終わるかと思ったのですが、
読み進めていくうちに、体験からこそ色々な教訓やある真実が
生まれ出てくると感じるようになりました。
大人よりは、若い世代を対象に書かれているので、
話の例や、そこから導き出される大江さんの思いが
わかりやすく表現されています。

意地悪のエネルギーは何も生み出さないことの説明や、
嘘をつかない勇気などは、単純すぎる題材と思われるかも知れませんが
だからこそ、もう一度考えてみる必要があることだと感じました。
自分が自分を教育していくのだ、という考えにも共感しました。
これからの世代の人たちに新しい人になってほしい。
そういう願いを込めて書かれたようですが、

この本は確かにいいきっかけになると思います。