アラン・ジュールゲンセンと長年コンビを組んできた相棒ポール・バーカーが脱退してから初めての作品、9枚目のアルバム。ラウドなギターを主軸に、メタル色を増したサウンドで襲いかかってくる。1992年の『詩編69』では当時のブッシュ大統領を批判した彼らだが、今回は息子のジョージ・W・ブッシュ大統領とイラク戦争を辛辣に攻撃。収録曲も「N.W.O.」をもじった「No "W"」、「TVソング」「TV2」の続編「WTV」、また「詩編23」なる曲を収録するなど、『詩編69』を受け継ぐ作品だといえる。政治的なメッセージ性はともかくも、単純明解なヘヴィネスと疾走感を追求しているという点ではミニストリー随一だ。（山崎智之）