二十年以上前のものではありますが、今読んでもよく出来た論文集だと思いました。レヴュアーは現在のレジーム論をよく知りませんので、その後どういった発展を遂げているのかは分かりませんが、レジームの安定性とその内的変化、またレジーム論自体の変化といった諸点に関する各論者の考察は、より一般的に制度の理論という観点から見て、思っていたよりもメカニズムが明確に論じられているという感じがしました。
また、掲載されているスーザン・ストレンジのレジーム論批判は、同じく制度の理論という観点からもやはり参考になりますし、ここには、英国学派とアメリカIRとの姿勢の違いもよく現れているように思います。