下村湖人『次郎物語』を第一部から第五部まで全篇を一冊にまとめました。
　これまで何度も映画化・テレビ化され、日本の多くの人たちから愛された国民文学の傑作です。

　『次郎物語』は、昭和11年（1936年）に雑誌「新風土」で第一部の連載が開始されて以来、昭和29年（1954年）の第５部まで約２０年にわたって書き続けられました。著者の「半自叙伝」的な小説とされています。
　下村湖人は、東京帝国大学英文科卒業後、母校佐賀中学校の教師を始めとして鹿島中学校校長・台北高等学校校長等、長らく教職にあり、また教職辞任後は講演や文筆活動によって社会教育に尽力しました。
　『次郎物語』は、そうした湖人の青少年に対する熱い思いのこもった作品です。