ただ、個人的には(→もちろん私の勝手な好みの問題ですが)、もう1度読みたいと思うほどは惹きつけられませんでした。
ストーリーは、いろいろあった末にヒロインがめでたく幸せをつかむ、というオースティン小説の型どおりですが、彼女の「愛しの君」の魅力が他の小説に比べてあまり伝わってこないのです。確かに良識ある大人の男性ですが。
そのせいか、同じような結末に向かっていく他の作品ほど、次の展開に期待を持って読み進める、ということはありませんでした。(あくまで私の場合はです)
なんというか「味わい」という点で、少々力が弱い作品かな?と思うのですが。
当時最先端の社交場バースで社交の何たるかを知らず、あつかましくしたたかな兄妹に振り回され、
ノーサンガアベイでは流行小説の読みすぎで、あらぬ想像をたくましくし(^^;)憧れの男性から苦笑を買います。
誤解からノーサンガアベイを追い出されるヒロイン、帰宅を迎える両親のおっとりしたこと!家族の性格の一端がうかがえるエピソードです。
最後はハッピーエンドです。いろんな出来事がありますが、安心して読み進んでください。
ヒロインの健全で大地に足が着いた生活感覚は「野暮ったく」はありますが、とても好感がもてます。
ジェーン・オースティオンの作品に登場する女性達の中でも、キャサリンは本当に初々しく可愛い女性です。(^^)