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The Naked and the Dead

価格: ¥1,448
カテゴリ: ペーパーバック
ブランド: Picador USA
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少し重いが読み応えのあるいい小説 ★★★★★
ノーマン・メイラーと聞けば「裸者と死者」とすぐに出てくるような有名な作品。
1948年に発表され1950年には翻訳が出て大いに話題になった(猥褻文書の疑いで警察の捜索)そうだが読んだことはなかった。原書は”50th Anniversary Edition”ということでずっと読まれているようだが、日本では有名ではあるけれども最近は話題に上ることも少なかった。
筒井康隆の“漂流”とうい新聞連載で触れられていて読んでみようと思い立った。
普通のペーパーバックより大きめのサイズで本文721ページ。少し時間はかかったけれどもすぐれた作品を読んだ満足感がある。
第二次世界大戦末期、日本軍が占領していたAnopopeiという架空の島への上陸作戦を描いている。
もちろん戦闘場面はあるけれどもその比重は小さく、主に戦争に参加している/巻き込まれている人間を描いている。Croft, Cummings, Hearnなど主要な登場人物だけでなくCroftの小隊のメンバーについても一人ひとりの人間像を丹念に過去に遡って描いている。
気高くも陋劣でもない生身の人間の「戦争」という状況における行動と心理の描写は、単に想像力だけで書かれたのではないであろう細部の描写と相俟って現実感にあふれ迫ってくるものがある。
文章は描出話法が用いられていることもあり初めは戸惑うところもあったが、教育のない兵士たちの言葉を表わす変則的な綴りや文法を含めて、慣れれば“語り”の力に押されて気にならなくなった。
性的に下品な表現や人種差別的な発言も、男だけの戦場という場面と時代状況からするとそれほど過剰でも異常でもないだろう。
明確な概念はさておき“全体小説”という言葉が浮かぶが、結末部分のあっけなさも考慮に入れて見るとこの作品の主人公は“戦争という状況”なのではないだろうか。
優れた戦争小説と言われているが… ★★★★☆
 戦争の残酷さや悲惨さを描いた戦争小説なら日本人にはお馴染だが、これは米兵の残酷さや惨めな姿を描いた小説として出色の出来ということか。それにしても日本の軍隊と違って合理的な米軍は精神的にももっと健全かと思っていたが、そうばかりでもないらしい。
「アナポペイ」という架空の太平洋の小島を守る日本兵を攻撃する米兵の姿を描いている。
 戦闘を描いたものではなく、兵士一人一人の生い立ち、人生、内省などを細かく描いており、日本人から見れば、当時の米兵のイメージを変えるほどの内容の小説になっている。また、兵士と将校の違い、兵士の貧しい生い立ちのことなど今まで考えてもみなかった部分であり、内容的には新鮮でした。帝政ロシアの軍隊の話だと言われても納得してしまうような内容です。
 難点は、ていねいに書かれている分冗長で、会話の部分に" "の表示がないのは、とても読みずらいと思いました。