本書の特徴を一言で示すならば、裁判実務家が中心となって自分たち(の後輩)のために作成した演習書ということである。その記述は、裁判の流れにそった非常に具体的なものとなっている。ただ、編集は、平野竜一、松尾浩也が担当しており、設定された項目は、理論的な観点も見ても重要なものである。ときにありがちな現在の実務者間でのみ了解可能な問題に固執しているわけではない。
一通り刑事訴訟法の勉強を終えて、具体的な事案の処理が気になりだしたような人にはお勧めの一冊である。