企業の常識・弁護士の非常識(2)
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以前、企業内の弁護士として勤務していたときのことです。社員が近所の病院で、医療過誤にあいました。別に命に別条などなかったのですが、会社としても相当の損害が生じたわけです。
私は法務部門の責任者として、病院に対してどのような責任追及ができるのか、当時の社長に答申しました。
それに対して、社長からはおおよそ次のように言われたのです。
「病院にはいつもお世話になっているし、これからも助けてもらわないといけない。それなのに、責任追及をすることは、大人の対応ではないだろう。二度とこのようなことが起こらないよう対応を要請し、今回のことは終わらせるように。」
私が、病院の法的責任について考えたのは、「弁護士の常識」として間違っていないと考えています。しかし、それとは別の、「弁護士の常識」を超えた、「企業の常識」に触れることができたわけです。
それ以来、自分も「企業の常識」を企業と共有できる弁護士になりたいと考えてきました。
このニュースレターも、自分の中にある「弁護士の常識」を、「企業の常識」で見直す意味を込めて、作成してまいりました。
このたび、2冊目の小冊子にまとめることが出来ました。楽しんでいただければ、嬉しく思います。