白く汚れて冷たく綺麗な
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本文より
本を開くと中はやはり白紙だった。どのページもどこを捲っても白いペー ジだけがある。表紙以外では、読んでいる内に付いただろう汚れだけが記されていた。
何でこんな本を読むのか、ともちろん聞いたことがある、そもそも読めるのかと。答えの言葉としての意味は一応、理解できた。だけど意図は掴めない。
一度、読んだ本、新聞、音として聞いた事柄などさらには絵や映像まで情報は全て記憶される、というのが伊澄の答えだった。
そしてこの本が引き出す鍵になっているという話である。そんなことができるのだろうかと思った。だけど「しているから」と言われれば納得するしかない。
はじまりはいつだったのだろう……。
数々の難事件を解決してきた他称美人名探偵の伊澄泉水とそのおっかけ高校生である浦木周は、
彼女たちの住む街で起こった殺人事件をさくっと解決してしまう。
そして続く第二の事件。
舞台は東京伊豆諸島の離れ小島、天才数学者の誕生パーティが開かれるはずの場所で首切り死体が発見される。
響く銃声。増え続ける犠牲者と密室。人は死の淵で何を思う。
真実に辿り着くのは噂に名高い名探偵だろうか、それとも天才数学者の孫である少女が真実を暴くのか?
真実なんてきっと誰にもわからない……
39文字 × 18文字換算で340ページ相当の内容です。
目次
一部 はじまりとして切り取られたもの
二部 はじまりのつづきとして用意されたもの
プロローグ
一章 はじまりが揺れていた
二章 そしてあなたは殺される
三章 次もあなたが殺される
四章 最後は彼女がターゲット
エピローグ