判断的な内容はないので分類すれば解釈本だが、首っ引きで原典解釈に取り組んだ経験はちょっと窺えない。
　その上、締め切りのコラムを急ぐようにそそくさと書いていて、解釈もキメが粗いのだ。例えば、【水天需】上爻の「速（ﾏﾈ）かざるの客 三人 有って来る」が全くのピンチであるような書き方で終わっているが、これは三人の客に敬意を払って従えば穴の中に陥っている身も吉に転じる、の意味である。「速かざる」とは「不招」の意味ではなく「期待していない」。
　だから、６４卦と各爻についてこんなイメージ（もある）かなぐらいの扱いで、読み物として読めば好いかもしれない。

　前段には、易と無関係のエッセー、占筮についてのごく基本的な事項、八卦の取象、が計３９ページ。
　本編には、卦・爻についての解釈、所々に有名どころなどの占例が入る。原文の掲載はない。十翼も扱っていない。

　この本は４３年を経て著作集「易占集」シリーズの一として復活した。だが、九星も方位学もこのシリーズとして並んでいるのでご注意。

占いブームに合わせて第二版を出したのだと思いますが、なぜ1963年の
第一版から2005年第二版とこんなに経ったのか読んで分かりました。

つまらない本だから講談社も版権を売り飛ばしたのでしょう。

第一部の40ページほどは、「そこに山があるから登る」等々の意味
不明な解説文で大言壮語も良いところ。少しだけ易のロジックが紹介
されますが、結局は一番簡単な六枚コインを使った卦の出し方の紹介。

第二部は原文の紹介無しの作者の独断と偏見の易経解説だけ。
チャーチルがどうの、伊藤博文は素晴らしい宰相だっただの、
ロシア革命がどうだったの。読む気力が失せます。

「あとがき」には「私のかんたんな解説」と書いてあります。
ようは易経を高木流に直しただけのようですが、どれも正直へたくそな
コラム程度の文章です。

こんなのを読むくらいだったら、最初から易経解説を読んだ方がいい。
推理小説は嫌いなので高木作品も読んだことは無いですが、読まなくて
正解だったと再認識しました。

買うと損するぞ！アマゾン、星ゼロが何故無い？

こ、この本が再発されるだなんてなんてイイ時代なんだ・・・かって日本を代表する推理小説家であった高木彬光は推理作家として一流中の一流だった訳だがもうひとつの顔は運命学の大家としても一流だったと云う事は今となっては知る人ぞ知る話し！？推理小説家としての氏ではなく運命学の大家としての彼のファンは時代を超えて平成の現在にも多い、そんな彼の運命学と小説を見事に融合した名作「大予言者の秘密」は私も大好きな作品だけどその巻末の方に本書「易の効用」の事がチラッと書かれてあった、だけど「大予言者の秘密」自体も中々のレア本な訳なのに更にレア度の高い「易の効用」を入手する事はまさに至難の業だった、それが今回の再発で容易に拝読出来る事は大変喜ばしい事だと思います、正直苦労して当時のモノを手に入れた身としては少し複雑な気持もなきにしろあらずだけどそれはそれこれはこれで素直に喜びたい（笑）肝心な内容ですが「大予言者の秘密」が好きで黄女史の「易入門」が好きなら迷わず買いです、流石は高木氏です、難解な易の本とは違い面白く解り易く易の世界が書かれています、黄女史の「易入門」にも云えてるんだけど「解り易い」って大切な事だと思うのですよね・・・再発されたといっても何時までもあると思うな親と金と本！？油断せず絶版になる前に入手するべし！？