ねこのこと。麟太郎のこと。
価格: ¥0
「――余命二カ月の猫と暮らした、最期の日々のお話」
猫が好き。
猫と一緒に暮らしている。
ずっと一緒にいたい――。
しかし、人間より遙かに短い生を生きる猫の最期を看取ることは、我々が猫と暮
らすうえで避けて通ることができません。
本書は、猫と安穏に暮らすための手引き書とは言えないかもしれません。
それでも、全ての猫の友のためのやがて来る「その日」のための一冊として、参
考になれば幸いです。
【目次】
麟太郎のこと。
僕らの平穏
九月、ぼくらはそれに気付いた
十月、東大病院へ
十一月、余命
十二月、暮れていく日々
一月、闘いの終わり
帰泉
後片付け
巡る季節
あの日のこと(+kindle版のためのあとがき)
【立ち読みサンプル】
■麟太郎に出会うまでの僕
僕の親父は魚屋だった。
魚屋と猫の関係なんていうものは、得てして良好であることはない。親父は干物
を咥えて逃げていく猫のことを嫌っていたし、僕の家には犬とインコがいたから、生
活の中に猫が入り込む余地はなかった。
小学生の頃、野良猫を撫でようとして手痛い反撃を喰らったことがあった。不意打
ちだったので、結構な深手を負った。
だから、何となく猫は苦手だった。
【……続きは本編で!】
【著者プロフィール】
実話怪談作家。1967年静岡県生まれ。
『「超」怖い話』シリーズ編著者、『「極」怖い話』シリーズ、『「弩」怖い話』シリーズ、
及び『恐怖箱』シリーズ総監修(以上、竹書房)、児童書『怪異伝説ダレカラキイタ?』
シリーズ(あかね書房)などを始めとする、数々の怪談を手がける。