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白い巨塔〈第1巻〉 (新潮文庫)

価格: ¥662
カテゴリ: 文庫
ブランド: 新潮社
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医師にどこまでの倫理観を求めるのか? ★★★☆☆
 山崎豊子の「二つの祖国」を読んでから、この「白い巨塔」を読みました。
社会の巨悪という表現をされるレビュアーの方もいらっしゃいましたが、「二
つの祖国」のスケールの個人ではどうしようもない問題に比べると、非常に些
細なことに見えてきてしまいました。主人公の財前は、「メスの腕は立つ」訳
で助かった患者さんも沢山いたと思います。教授や学術会人事についての裏工
作も、財前や回りが名誉を受けたがっていただけで、悪質な汚職までは行って
いないと思います。

 医者の倫理と虚栄心が焦点の小説でしょうか。里見先生は確かに、患者個人
としては理想的な医者だとは思いますが、どこまで一人の患者に診察や治療を
するのかという程度の問題で、あまねく全ての患者にこのように対応するのは
現実的には、不可能でしょう。あそこまで、徹底して診察をするぐらいに、自
分の患者が心配であれば、おそらく自分の研究をする時間がとれないでしょう。
逆に兄と同じように開業医になって、通院する限られた患者を診た方が幸せな
のではないかと思いました。

 それにしても、山崎豊子の取材力、勉強力はすさまじいと思いました。医学
に関しては、おそらく素人だったと思いますが、ここまで高度な医事裁判の法
廷劇を描けるのですから。

 その後、唐沢寿明のドラマをちらっと見たのですが、全体的に軽すぎて鑑賞す
る気になりませんでした。エンディングは鬼気迫るものを想像したのですが、非
常にクリーン。小説だけで十分です。田宮一郎版は機会があれば、見てみたいで
す。
微妙 ★☆☆☆☆
大学病院の中のドロドロ劇。微妙です。2巻以降読むかどうかも微妙です。
読みこんでます★ ★★★★★
唐沢寿明版のテレビドラマを観て魅せられ、今は田宮二郎版のDVDを観てます。原作のこの本も同時に読み込んでましていろいろ照らし合わせ楽しくよんでます。山崎豊子さんの昔ながらの描写が素敵なので。。。これを読み終えたらまた違う本を読んでいこうと思います。新潮文庫「白い巨塔 全5巻セット」 (新潮文庫)
東教授定年退官後の第一外科後任教授選挙における、財前助教授側と東教授側の秘密裏の動き ★★★★★
第1巻は、東教授定年退官後の第一外科後任教授選挙における、財前助教授と東教授の秘密裏の動きですかね。財前助教授は、食道噴門癌手術を得意とし、実力も人気もある人物で、東教授に仕えていたので、当然オレではないかと思う。また、東教授は財前助教授の傲慢な性格を嫌い、他大学からの移入を画策している。

ドラマよりも教授選挙の裏工作のすさまじさが目立つ。人間関係のドロドロしている感じがよく表されている。財前助教授は、東教授の不穏な動きを警戒してか、医師会の役員である義父の又一のコネやOB会を使って何とか教授会に取り入って投票してもらおうとしている。東教授は、退官後も自分の権力を残すために、後任者に財前助教授でなく他大学からの移入を画策しようとしている。
一気に読んでしまいました ★★★★☆
 唐沢寿明さん主演のドラマ、韓国でもTVドラマ化されましたが、それをきっかけに読んでみました。40年以上も前の小説ですが、重厚な取材背景とストーリーに引き込まれ、5巻一気に読了しました。ボリュームはあるけれど読みやすい。文庫版3巻までの前半と、その後の2巻が別々に書かれたのを初めて知りましたが、前半は教授選、誤診裁判を背景に置きそれを取り巻く人間ドラマ、後半はむしろ、作者自身がさらに取材・勉強を重ねたと言う裁判の応酬部分が面白かった。3巻で完結すると、短歌の上の句だけのような感じで、問題提起をして余韻は残すが、財前が勝ち、里見が負けのような形になるので、裁判結果が覆るストーリー展開と、学術会議会員当選の栄光と引き換えの財前の死、という後半の展開も有りかなと思いました。医学界の実態を背景にしつつも、全体としては「告発」的な意味よりは小説として味わった方が良いのでしょう。1点だけ欲を言えば、感情の明暗の動きや、考え方の白黒がデジタルに表現され過ぎていると感じる箇所がありました。内面感情と表層の態度が食い違うシーンの表現や、どちら派か最後まで分からない(八方美人または揺れ動くタイプ)人物設定などがあると、さらに味が出たと思います。もちろん、全体としては大変面白い、作品価値の高い小説です。