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幕末・維新―シリーズ日本近現代史〈1〉 (岩波新書)

価格: ¥861
カテゴリ: 新書
ブランド: 岩波書店
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近代の2大事件 ★★★★★
幕末と、第二次世界大戦は、日本の方向変換の2つの事態。
歴史に明らかにされていないことは、まだまだ沢山あるかもしれない。

体制の変化は、
牛鍋のような食生活や、
洋装などの衣類や、
住宅になで変化を齎した。

このような劇的な変化を受け入れる素地がどこにあったのだろう。

変化とともに、その受け入れる容量は計り知れない。
維新の偉業という虚構 ★★★★☆
 昔、石ノ森章太郎の「マンガ日本の歴史」の維新をあつかった一巻で、「夜は本当に明けたのだろうか」という一節があったというのを記憶している。
 江戸時代には江戸時代なりの良さがあった。百姓一揆も暴力的ではなく、江戸幕府も無能とは限らなかった。ゆるやかに近代化が進むのを妨げたのは、むしろ孝明天皇の頑迷さであったし、維新の志士たちの陰険さも見逃せない。
 官軍は赤報隊を処分し、江戸幕府は穏当に済ませていた一揆を新政府は容赦なく弾圧した。
 そして、西洋列強の脅威は、そんなには差し迫ったものでもなかった。
 であるからして、近代の日本人は官軍の(明治新政権の)視点から歴史を見るようになってしまったのであり、それは西洋に追いつけ追い越せと焦る日本人のひとつのあわれさをも感じさせるのである。
 維新の「夜明け」とは、その時点では一部の人間のものに過ぎなかったし、そのために西洋列強のまねをしてアジアに禍根を残してしまったのである。
従来の通念の大胆な修正の試み ★★★★★
 本書は1945年生まれの幕末・維新史研究者が2006年に刊行した本であり、黒船来航から西南戦争までを扱う。本書では第一に、幕府の統治や外交能力が再評価され、朝廷の非合理主義が強調される。幕府は漢訳西洋書やオランダ別段風説書によって海外事情を知り、自他の力量を正確に見極めつつ、巧みな交渉で等距離外交を展開した。また衆議により、開国容認の意見は攘夷派の雄藩大名にも共有され、縁家の公家に伝えられていた。他方で孝明天皇は神国思想に基づきそれを拒否したが、周囲の圧力で言動は変動した。第二に、討幕派の舞台裏が解明される。薩長は勅命を冷静に利用し、激派の暴発や天誅を利用して朝廷を脅迫し、公武合体後朝幕関係が好転する中、政変により朝廷を武力討幕路線に引き込んだ。第三に、地域経済の発展は、開国を外圧によってではなく、内から定着させた。開国後も外国商人の国内市場への進出は条約によって阻まれたため、在方の商人や織工が活躍した。第四に、対外的危機は確実にあったが、実際には従来強調されてきたほど大きくはなかったとされる。列強の主要な関心は中国にあり、イギリスは日本の政争への不介入を表明し、日本は列強の勢力均衡をうまく活用できる地勢にあった。むしろ藩主を擁して上意による改革を狙った少数の実務役人層が、外圧の強引な創出によって改革を推進していたという。第五に、外圧に対抗してというより、それを追い風として、東アジアへの侵略と専制的近代国家の急造への道が選択されてゆく。北方民族の土地や琉球が一方的に日本領に編入され、台湾出兵や朝鮮への不平等条約の強制が実行され、一揆や反乱が厳しく鎮圧されて近代化が進められた。以上のように本書では、国際関係と民衆世界の再検討という学界の成果をもとに、従来の通念が大胆に書き換えを迫られている。

充実の内容。 ★★★★★
 私は人間不信というか、無私無欲の人間なんて
そうそう居ないよなあって思ってしまうもので
司馬史観に立った書物が幅を利かせている現状に
”嘘くさいなあ、本当かなあ?”とうんざりしています。
幕末の15年間だけを切り取って日本人を捉えるのは非常に危険だと思う。
 本シリーズは司馬史観とは全くかけ離れた立場から書かれた
特筆すべくシリーズだと思う。近年の傾向としては
過剰に日本人を擁護するような史観が目立たないだろうか?
恥ずべき点としてしっかりと見つめなおすべき点があるのではないだろうか?
 照明で言えば逆方向からのライトの当て方だが
本シリーズの捉え方に注目しても良いと思う。
この時代に生きたいか? ★★★★★
いまになって振り返ってみれば「お侍の鎖国時代から近代国家への脱皮」でまとめられてしまう幕末・維新。けれども近代国家に落ち着くまでの騒動は無理難題と不条理に満ちた奇々怪々で常軌を逸した事件の連続であった。主役が藩から個人に移り、主役の個人もころころ代わり、日本と交渉しようとする外国人たちもさぞ迷ったことにちがいない。人権や命の重さや保証などという概念のまったく存在しなかった力と運の時代を理想の時代と祭り上げる安易さは、本書を読んで今一度再考すべきだろう。