テクノ・ミュージックの奇才、リチャード・D・ジェームズによる、エイフェックス・ツイン名義では4枚目となるアルバム。バリエーションに富んだ曲調の前作『...I care because you do』から一転、意外にもドラムン・ベース、しかも、彼にしか創り出すことができない低音不在のおもちゃのようなドラムン・ベースを全面的に導入。童謡を思わせる牧歌的なメロディーに高速ビートがからみあう<1><5>、そこに子どものボーカルが加わった<6>など、天真爛漫な“リチャード・ワールド”がこれでもかと言わんばかりに展開されていく。その一方で、ところどころに、ノスタルジックなイメージを喚起させる曲(たとえば<4><7><8>)が収められている。これは、本作がリチャードの生前に他界した兄に捧げられていることとおそらく関係があるのだろう。
美しいメロディー、無邪気に刻まれるビート、ひねくれたユーモア・センスが同居した、他をよせつけぬ圧倒的なオリジナリティー。この唯一無二の世界を体験しない手はない。(山田次郎)
四つ打ちテクノだと思って買うと痛い目に…
★★★★★
このCDに限らずエイフェックスツインのCDのジャンル名にはテクノと書いてあるので、デトロイト・テクノ、ジャーマン・テクノ、石野卓球のような日本のテクノやエレクトロポップなどを想像して買うと痛い目にあうかもしれません。実は私がそうでしたw 私が初めてエイフェックスツインの曲を聴いたときは「…何この雑音…こんなの聴いてられない…買って損した」と思いましたが、聴いているうちに「んん!?これは中々面白い!」と思い今では彼の大ファンになってしまいましたw 私の昔話はこの辺にして、このCDに収録されている曲なんですが、全体的にハードなドラムンベースを基盤に綺麗なクラシック音楽のメロディを乗せた楽曲や、民謡(?)っぽいシンセ音の楽曲、それと日本版にはリチャード本人のボーカル曲やRemix曲などが収録されています。ちなみに私が気に入った曲は、トラック2、トラック3、トラック8、そして日本版に収録されているトラック11「Milkman」12「INKEY$」13「Girl/Boy(£18 Snare Rush Mix)」ですねw レビューが長くてすみません。
ジャケ買い…
★★★★★
の人達には、あまり買われそうにありませんね(笑)。
でもそんなふにゃけた感性とはもっとも遠くにある音楽だと思います。
かつてはシド.バレット、近くではトレント.レズナーくらいでしょうか…その才能が匹敵しうるのは。
とにかく聴け!!です。
このアルバムは
★★★★★
最初聴いた時は怖さと綺麗さを兼ね備えた楽曲群だと思った。
ドラムン・ベースと言っても低音まるで利いてないし他には決してない音楽で、このアルバムを超えるアルバムも到底出て来ないだろうと思う。ひねくれたドラムン・ベースというかドラムン・ベースの枠外で鳴っている音楽だと思う。
音というものの喜びを教えてくれる。俺はこんな素晴らしいアーティストにこの世に生まれ出会えたことを感謝したい☆
エイフェックス史上最高傑作
★★★★★
このアルバムはかなりいいです。とにかく、初めての人はこのアルバムから聴くのがいいと思います。
ブチ壊れたノイズ音と、泣けるほど美しい旋律のコラボレーション。音の洪水とはまさにこのことでしょう。
変態エレクトロニカなどと敬意を込めて呼ばれていますが、言葉でくくるのは不可能というのがエイフェックスツインの音楽です。ぜひ、ヘッドホンで大音量で聴くことをお勧めします。音漏れに注意してくださいね。
ERIK SATIEとの相似
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リチャードはエリック・サティを尊敬しているというが、彼の活動全体を俯瞰してみると、サティの経歴をなぞっているように見える。初期のアンビエント作品がサティの「神秘主義の時代」、この時期の作品は「ユーモアの時代」にそれぞれ合致する。
この時期のAPHEX TWINは賛否両論のようだが、それはサティの「ユーモアの時代」も同様。この時期のサティは「世論を驚かすだけのために、天賦の才能が犠牲に供せられてしまった(A・コルトー)」なんて批判されたりもしている。一見ふざけてるところがこの時期のAPHEXにかなり近いような・・・。
しかし、「一音たりとも無駄な音は書いたことがない」と語ったサティ同様、この時期のAPHEX TWINの作品も、冷静になって耳を傾けると、音楽的にも非常にすばらしいことがわかるはず。ライナーでけなされてるFingerBibだって普通に名曲では?。美メロとドラムンの融合というアイデアは少なくないかもしれないが、ここまで独創的かつクオリティの高いものは意外に少ないと思う。
「天才」とか「狂人」とかいうイメージを一度きれいさっぱり取り払って、純粋にこの作品に向かい合ってほしいと思います。