基本的に不完全性定理を19世紀後半の数学の流れに位置づけて、不完全性定理は
非ユークリッド幾何学とともに出てくる無矛盾性の問題に対するアプローチ、と
見ています(そのため、第二不完全性定理に重点が置かれます)。
全般的に以上の点、つまり幾何学における無矛盾性証明の流れとゲーデルの証明の
要点を解説することに徹していて、不完全性定理がどんな帰結を持つのか
(これについては結論部で少し触れられま!!すが)、他の分野の成果とどのように
関連するのか、ゲーデルはどんな人なのか、という点にはまったく触れられていません。
今から見れば計算論的視点や伝記も欲しいところなので、星4つです。
ちなみに私が読んだのは原書第一版(1958)なので、ホフスタッターによる改訂に
ついては分かりません。でもせっかく改訂版が出ているので改訂版にレビューします。
とても読みやすい英語です。