昭和初期の作家である海野十三の作品。作者は逓信省電気試験所に勤務の傍ら、科学小説を書き続け、後に日本SFの父とも呼ばれる。初出は「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1933（昭和8）年］。後に「流線間諜」［春陽堂書店、1936（昭和11）年］に収録。暗闇を進む五隻の潜水艦。横須賀軍港を出て以来一月近く経つも、一度も寄港する事なく、島影も見ないままで前進し続けていた。兵士にも行き先は解らない。日本が某国に宣戦布告をしたある日、潜水艦の本当の目的を知る。