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自衛隊の国際貢献は憲法九条で―国連平和維持軍を統括した男の結論

価格: ¥1,470
カテゴリ: 単行本
ブランド: かもがわ出版
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対米追従でなく、当事者意識を持ち、9条を原則に、世界平和への貢献を、日本人として今考え実践する時 ★★★★☆
アフリカのシエラレオネで5万人、アフガニスタンで6万人、命掛けで武装解除を成した著者だから言える重みとロジカルな説得感が本書にはありました。国連の平和活動に対する自分の無知と、自衛隊を海外に派遣したこの国の代表者達の無知・無策を実感すると共にアフガンの実情やルワンダの大量虐殺の背景等、平和問題に関する見識が広がり、勉強になりました。

以下の著者の言葉に興味を持たれた方は本書でその背景をご確認下さい。

・僕が大学で目たのは、自分の教義の為に、人命がかかわる現実に目を閉ざす人達であった
・特にアフリカの最貧国では欧米の大きいNGOが行政を担っているのと同じで、福祉も教育もNGOなしには立ち行かない
・シエラレオネのRUFに比べればタリバンがやったことなど比較になら無い程小さい。しかし、アメリカはRUFは停戦合意に導き、タリバンには掃討作戦を敢行している
・アフガンの武装解除を引き受けたのは川口外務大臣。たぶん当時の外務省はDDRのことを良く理解していなかった
・9条の下で暮らしてきた我々日本人に好戦性がないことを、戦国の世を生きてきたアフガン人は敏感に感じ取る。そういう匂いが日本人にはあるのだ
・日本はアメリカに対してアフガンの軍閥の武装解除という最大の貢献を、それも軍事的な貢献を、自衛隊を使わずにしたのである
・イラクに派遣された自衛官は本当に見殺しにされなかった。どうやって法的に保護するのかを全然検討していなかった。自衛隊は法的な観点からも、指揮権の観点からもゲリラ部隊であった
・発展途上国はそれぞれの「国益=外貨」の為に、できるだけ大規模な兵力を出したいのだ。日本が大部隊を出さなければいけないニーズはないし、事実、普通の先進国はそんなことはしない
・アフガニスタンにいる日本のNGOは、東京で開かれた第一回アフガニスタン復興会議の際、国策として派遣することにしたのだ
・アフガニスタンで日本の外交政策の顔となってきたNGOを全く認識されていなかった自衛隊の給油活動の為に犠牲にする。全く国策を何と考えているのか
・インド洋の補給も含め、全ての軍事的協力を停止することが、日本の国益上の緊急課題だと考える。「軍事を非軍事的にやる」といった方がいいかもしれない
美しき誤解という武器を持て ★★★★★
この本の中には、憲法第九条を持つ国だからこそできたこと、できることが紹介されている。
「美しき誤解」と呼ばれる、日本に対する「人畜無害な経済大国」というイメージ。とりあえずは平和で中立。国内に犯罪がないわけではないが、特に若年層ほど凶悪犯罪は減少をたどっており、世界水準から見てどちらかといえばおとなしい国。
小市民だとか平和ボケとか自嘲的な表現に陥ることもあるけれど、私はこの誤解された美しさを自己に身に着けるのは結構好きだ。思い返せば、このイメージの恩恵に私はあずかったことがある。顔色を見る方向性を変えれば、今までの日本が培ってきたものや身に着けてきたものへの肯定的な評価もあるのだ。
綺麗事を絵空事にせず、しかも、現実的に国際的に独自の立場で貢献する道筋がこんなにもあるのなら、日本という国に所属することをためらわずにすむような気がした。
本心から平和を愛する男! ★★★★★
アメリカや諸外国の策略はさておき、悲惨な紛争現場で現実に虐げられつづける人々に、日本がいかに平和をもたらしてあげることができるか、その活動をとおして世界の平和にいかに貢献することができるかを本気で提案してくれている本だと思います。著者のような現場を知る者には、日本がとるべき態度がはっきりとわかっているのに、それに比べたら日本の首相がまぬけに見えてしまいます。たしかに自らの近隣の出身議員をみても日本の政治家の程度は知れてしまいます。自分の保身ばかり考える人ではなく、本心から国や世界を考えることのできる人が必要だと身に沁みて感じました。
著者は日本人にはそれができる、いや日本人にしかできないといいます。弱いものを助け正義を守る武士道の生まれた国、万人の平和を愛する日本人が、その誇りを捨てアメリカと同じような国になってしまったら……。
日本人はこのような深刻な記事をなるべく避け、日常が平和ならいいやと考えてしまいがちです。いまの時代はそれではすまなくなりつつあると誰もが感じていると思います。日本人が人間としての誇りを取り戻すきっかけにもなれる本だと思います。
憲法は国内法です。 ★☆☆☆☆
日本国憲法は日本にのみ機能するものであり、平和ぼけも甚だしい。
平和の押し付けは何の解決にもならないしむしろ悪意ですらある。
「憲法9条」を生かした国際貢献の推進を―日本外交への重要な問題提起として ★★★★★

 この“紛争屋”伊勢崎賢治・東京外国語大学教授の著書について、私は今年上半期における「政治部門」トップの図書としたい。そして先ず、本書を読んだ結論を端的に述べると、日本は9条を生かした外交ができる、つまり「9条は一つの外交戦略となりうる」(本書p.18)のであり、従って、著者も力説するように「現在の日本国憲法の前文と第9条は、一句一文たりとも変えてはならない」(同氏『武装解除』講談社現代新書,04年)ということであろう。

 さて伊勢崎氏は、早大大学院修了後インド留学などを経て、国際NGOの一員としてシエラレオネ等のアフリカで活動した。その後、2000年に国連東チモール暫定行政機構上級民政官(コバリマ県知事)として1500人の国連平和維持軍なども統括し、01年、再び国連シエラレオネ派遣団の武装解除部長としてDDR(武装解除・動員解除・社会復帰)を担当、03年、日本政府特別顧問としてアフガニスタンで「北部同盟」の武装解除などを行ってきた。

 まさに“日本人離れ”した素晴らしい活躍であるが、何故か、日本政府から伊勢崎氏に栄誉や褒賞が与えられた、という話は寡聞にして知らない。それはそうと、こうしたキャリア、取り分け、アフガニスタンでの武装解除を通じて、氏は「日本は憲法9条を堅持することが大事」(本書p.60)と確信する。「憲法9条のつくりだした戦後日本の体臭というもの」(同p.67)などが同国の軍閥をして「美しい誤解」を生んだからだ…「日本だから信用しよう」という…。

 “show the flag”“boots on the ground”といった言葉に幻惑された改憲志向の、あるいは観念的に「護憲・平和」を唱える、全ての国会議員は是非とも当書に目を通すべきだ。特に、治安悪化のアフガニスタンで活動する日本のNPOの人々を危険に晒す「インド洋無料ガソリンスタンドの再開」などといった覆轍を踏むことのなきよう、政治家や外務官僚等は、現場を踏まえた伊勢崎氏の声に、真剣に耳を傾けてもらいたい、と心から願うものである。