書いたものをちゃんと分析してますか
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文章を書くということは、頭の中で考えたことを紙に
アウトプットすることである。したがって文章をうまく書くためには、
うまく考えることと、うまくアウトプットすることが大事である。
うまい文章を書くための手法を学ぼうと考えた場合に、
この本は非常に実践的な本である。
なぜなら、考えるための発想法やアウトプットを行う際の
注意点がふんだんに示され、しかもすぐに使える内容のものが
ほとんどだからである。
私がこの本を読んでアウトプットに関して印象的だったのは、
くだいて書くという手法である。
噛み砕いて説明するなどの「くだく」が語源になっているそうである。
くだいて書くということは誰でも簡単に出来ることなのでぜひ実践して欲しい。
それは、文章を書いた後に、1.足りない点はないか、
2.分析が不足している点はないか、3.新しい事実はないか、
それを入れたらどうなるかを考えなさいということである。
ややこしいわけではないのですぐに覚えられる。
それでいて、こうしたチェックポイントを意識するだけで、
文章が引き締まるので効果は絶大である。
この本で紹介されている文章作成の流れは次のようなものである。
まず、文章の要旨を考える。ある事実に対して、
自分がどのような意見を持つか、それにその理由。
基本的にはこの三部構成である。まずはこれを考えることが最初だ。
次に、3つのパーツそれぞれについて、何を構成要素とするか考え、
短文を作る。それらをいくつかにグルーピングして、
内容を抽象化したうえでラベルを貼る。
その後、ラフに作った短文をくだいて、完成度の高いものにする、
ということだ。これで90点取れる内容になるが、残念なのは、
推敲をどのようにやるのかについての解説がなかったことである。